投資における考慮要素として。その他、投資制限 / Other Investment Constraints
投資目標(Investment Objective)とリスク許容度(Risk Tolerance)は、すべて投資リスク(Investment Risk)と投資収益の目標(Investment return objective)の範囲に限定されますが、それ以外に以下いくつかの要因が投資家に影響を与えるため、投資決定する前には考慮する必要があります。
- 所要流動性(Liquidity Requirement/変現能力)
- 投資対象期間(Investment Time Horizon;投資年期)
- 税金の考慮(Tax Consideration税務考慮)
所要流動性 Liquidity Requirement/変現能力
所要流動性(Liquidity Requirement;変現能力)とは、大幅な価格の譲歩(Make a substantial price concession)をすることなく、すぐに資産を売却できる投資家の能力(Ability of an investor)を指します。
非流動的(illiquid)な投資資産の例としては、骨董品があります。唐代や鎌倉時代の陶磁器の作品を所有している投資家は、かりに1時間以内に売却しなければならない場合、比較的低価格で売却する必要があります。売却を少し引き延ばせて公開入札で行えれば、間違いなくはるかに高い売却価格を取得することができるはずです。
これに対して、例えば株式の場合、1時間以内にHKD100万の価値を有するHSBC普通株式(Common stock)の売却にせまられたある投資家にとっては、おそらくその価格に近い販売代金を受け取ることができます。
投資計画(Investment plan)を策定するにあたり、投資家の流動性需要(liquidity needs)を考慮しなければなりません。投資目標(Long-term investment goal)が長期的な若い投資家は、おそらく非常に低い流動性需要(Low liquidity need)で事足りるのに対し、年金で生活している退職者(Retiree living on pension)にとっては、安定したキャッシュフロー(Cash flows;周転現金)が必要となってきて、よって、金融市場証券(Money market instruments;貨幣市場工具)のような流動性証券(Liquid securities)をポートフォリオに組み込む必要があります。
投資対象期間 Investment Time Horizon/投資年期
これは投資家が投資に時間あてる期間(Time period)です。通常、この期間は投資家の投資目標(Investment objectives)、年齢(Age)と現在の財務状況(Current financial condition)により定められます。ほとんどの投資商品は一般的に以下の投資期間に分類されます。
- 短期で1年まで(Short term up to 1 year)
- 中期で1年から5年まで(Medium term from 1 to 5 years)
- 長期で5年以上(Long term over 5 years)
前述したように、期間はリスク相殺する要因(Offsetting element for risk)となります。実績のあるリスク管理戦略の一つとして、価格の短期的な変動(Short-term fluctuations)を無視し(過度な緊張や心配せず)、長期的な収益(Return)のみ集中することになります。投資期間が長くなると、一般的にマイナスのリターン(Negative return)を被る可能性が低くなることを、世界株価指数など歴史的に証明されています。
短期の投資だけをするつもりの投資家は、リスクの大きな投資は避ける必要があります。これは、資産は適切でないときに、精算される恐れがあるためです。長期の投資家は、いかなる短期の不足(Shortfalls)や損失(Losses)が発生しても、その後の数年間で収益(Return)を得ることができる機会があるため、通常、比較的大きなリスク許容力(Risk tolerance)を有すると言えます。
株式や債券への直接購入(Direct purchase)と比較すると、海外ファンドの長期投資は長期で5年以上に分類され長期性のある(Long-term nature)ことに留意すべきです。
税金の考慮 Tax Consideration/税務考慮
香港においても日本と同じく租税は、法律の根拠に基づいて税金を賦課、徴収します。
個人所得税(Personal taxes)は、個人または家庭の課税所得(Taxable income)に対して徴収されます。香港では通常、投資の収益(Return)に対しては、個人所得の税目/Subject to personal taxation(資本利得税/Capital gainsや投資所得税/Investment income)の対象にはなりません。但し、不動産投資における資本利得(Capital gains)は除かれ課税されます。
2006年2月からは、香港は遺産税(Estate duty)いわゆる相続税が全面的に廃止され。しかし、海外の税務管轄の対象となる(Subject to foreign tax jurisdiction)投資家については、税務計画(Tax planning)のために税務顧問(Tax advisors)や弊社のような香港IFAに個別に相談する価値があると言えます。