02先物取引 / Futures Transactions
先物取引の種類は、取引する商品によって金融先物取引/Financial futuresと商品先物取引/Commodity futuresの大きく2種類に分けることが商品先物も、金融先物も、取引には証拠金が必要です。また、買いからでも売りからでも、取引を開始できるので、相場の上昇局面と下降局面の両方において、利益を狙える可能性があります。
金融先物取引 / Financial futures
金融先物取引の始まりは、1972年にシカゴ・マーカンタイル取引所/Chicago Mercantile Exchange: CMEがその敷地内に国際通貨市場/International Monetary Market: IMMを開設し、外国通貨先物の取引を開始したことに始まる。これを契機に、1970年代後半から1980年代前半にかけて、米国では債券や金利、株価指数など、他のさまざまな金融商品の先物取引が展開され、特に1980年代前半は、多種多様な金融先物商品が次々と誕生し、1980年代半ばまでは、イギリスやカナダ、オランダ、オーストラリア、シンガポールなど他の国でも金融先物取引の導入が見られた。1970年代後半から1980年代前半の10年間で、金融先物取引は世界中に広がり金融先物取引は、先物市場全体において大きな力を持つようになった。結果、1985年以降の米国では、金融先物取引の取引額が商品先物の取引額を上回るようになった。
日本では1985年に10年物国債/Japan Government Bond 10Yが最初の金融先物商品として取引され出した。この商品の取引は大方の予想をはるかに超えて急成長し、取引開始後1年も経たないうちに債券そのものの取引額を上回るようになった。さらに、1987年、日本国債の先物取引は販売額で世界一となり、世界の先物市場から注目を浴びることになった。1987年、証券取引所が50銘柄の株式をパッケージ化した先物商品株式先物50/Stock Futures 50を導入し、株式先物取引が始まった。さらに、証券取引法の改正により、1988年に株価指数先物の取引が開始された。1989年には金融先物取引所/Financial Futures Exchangeの設立に伴い、通貨・金利先物が導入された。2007年9月、金融先物取引法が廃止され、証券取引法を改正した金融商品取引法/Financial Instruments and Exchange Act(以下金商法/FIEA)が施行され、有価証券関連取引を扱う証券取引所/Securities exchangesと金融先物取引のみを扱う金融先物取引所とにカテゴリー分けし、あらゆる金融商品を扱う金融商品取引所/Financial Instruments Exchangeを設置することとなった。
商品先物取引 / Commodity futures
商品先物取引の歴史は古く、日本では1730年に全国の大名が年貢として持ち込む米の取引市場として大阪が優位に立ち、江戸幕府が大阪堂島取引所で米の取引(現物取引と先物取引)を許可し、世界初の組織的先物取引市場が誕生した。戦後の日本では、綿糸や羊毛、ゴム、生糸、干し繭、砂糖、農産物、貴金属など、さまざまな商品を取引する取引所が誕生したが、産業の発展とともに統廃合された。
2011年には商品取引所法が改正され、国内の商品取引所と取引所外取引、国際商品市場を対象とする法律として、商品先物取引法が施行された。その後、価格決定方式や証拠金制度の改善など、金融先物取引の存続に向けた取り組みがさらに進み2000年以降、日本の取引所と海外の取引所との提携が加速し、商品の多様化が進んでいる。
2013年1月、株式会社東京証券取引所と株式会社大阪証券取引所は、取引所間のグローバルな競争において、より優位に立つことを目的として、両社の経営統合を行い、株式会社日本取引所グループを設立した。その結果、2014年3月24日以降、金融先物とオプション取引は、株式会社大阪取引所(正式には株式会社大阪証券取引所、同日付で社名変更)のみで取り扱っている。