扶養家族ビザ / Dependant Visa

扶養家族ビザ配偶者が香港人であったり、就労ビザ投資ビザなどの保持している外国人であっても、香港入国時に自動的に90日間の訪問ビザを取得できるにとどまります。
あくまでも訪問に限定されているので、香港国内での就業や投資、就学などを行う事は認められていません。
そこで、就労・投資ビザなどの保持者がスポンサーとなり、その“配偶者、子供、父母”が取得できる期間が制限されないビザを申請することになるのですが、そのビザが扶養家族ビザです。
現在、保証人の学生ビザを除く扶養家族ビザ取得者の就労は認められていますが、雇用政策や経済状況により変更される場合があります。
また、就労ビザや投資ビザと同様、7年間継続して香港に居住することで、香港の永住権を申請する資格を得る事ができます。

扶養家族ビザの申請 Dependant VISA

扶養家族ビザの申請の申請適格者、および申請方法などご案内します。GEP基準による就業ビザ取得者は、配偶者及び18歳未満の独身の子供の Dependant Visa(扶養家族ビザ)のスポンサーになる事が可能です。ただし、親や兄弟などのビザスポンサーになることはできません。家族ビザ取得者は、香港に於ける就業や就学が可能です。
扶養家族ビザ取得に際しては、家族関係の証明が基本となりますが、ビザスポンサーの雇用証明や香港に於ける生活力の証明(資金力・住宅契約)などを求められます。

申請資格 Eligibility Criteria

投資ビザや就業ビザをスポンサー(保証人)が取得したのちに、その家族が申請することになります。
申請者である近親者の申請資格は以下のようになります。

  • 申請者が配偶者の場合、その婚姻・家族関係を証明できる公的な証明書が提出できること
  • 申請者が子供の場合、その家族関係が証明でき18歳未満の未婚であること。ただし、18歳未満当時に家族をビザ取得している場合、満18歳以上であっても家族ビザの延長申請が可能。
  • 申請者が父母である場合、その家族関係が証明でき、満60歳以上であること。ただし、スポンサーがパーマネントビザ保持者の場合に限る。

申請方法 Application Procedures

保証人がビザを所得していることを証する書面の他、申請者の申請書および以下のような書類が必要となります。

  • 婚姻・家族関係を証明できる公的な証明書が必要
    香港日本総領事館に提示して3か月以内に発行された戸籍謄本を、所定の英文家族証明を取得する事が可能
  • 既知の不良な記録が無いこと
  • ビザスポンサーが家族を扶養できる基本的水準と住まいを提供できる能力があること

滞在期限の延長申請 Extension of Stay/延長逗留期限

申請者が用意するID91の申請書とID481B及びスポンサーが用意するID481Aのほか、添付書類が必要となります。
通常初回申請時、最大1年間の許可が認められ、扶養家族のビザ延長期限はビザスポンサー(保証人)に、ぶらさがる形となります。
つまり、ビザスポンサーのビザ期日に合わせて延長の許可が出されます。また、家族ビザの延長申請の際には、ビザスポンサーの香港滞在日数などが審査対象となります。

ちょっと一息コラム、就労ビザより家族ビザのほうがお得だが・・・

香港で元々就労ビザで働いていた夫人が、結婚を機に家族ビザに変更することがよくあります。就労ビザから扶養家族ビザへの変更は容易であることに加えて、メリットも確かにあります。
香港では現在、扶養家族ビザであっても就労が可能で、一部の就業ビザ所得者が不満を政府にいうほど、その制限が比較的が緩くなります。例えば、会社の株主、役員就任、就労などが自由に行え専業義務もありません。また、雇用する側の企業の立場としても配偶者がビザスポンサーとなるため、会社がなる必要もなく雇用への敷居が低くなります。
しかし注意するべき点が雇用者、被雇用者の両者にあります。
香港のイミグレは香港人の雇用機会を守るのが主な役割ですので、失業率が高くなれば外国人への審査が厳しくなります。確かに香港が不景気だった2000年台前には、香港人の雇用を守るために扶養家族ビザによる就労を一時的に禁止した経緯があります。
また、2015年の中国ショック以降2016年は香港でも本格的な景気の後退が予想されています。
このように、景気の良しあしによる香港政府の意向により制度が変わる可能性もあることを念頭に入れておく必要があります。