投資ポートフォリオの多様化や安全資産への投資などHSBC香港の投資口座から金市場へのアクセスを容易にします。また、日本で金を購入すると消費税がかかり、また現物をどのように保管すればいいか悩んでしまいますが、金の現物を交換しないため配送や保管のコスト、紛失や盗難のリスクを心配する必要はありません。
ETFのGLD(SPDRゴールド シェア)やIAU(iシェアーズ ゴールド トラスト)と同様に、Loco London Goldロコ ロンドン ゴールドにベンチマークされた預託証券をHSBC香港を通じて1口からの売買が可能なので、簡単に金市場への入門的な投資が可能です。

インターネットバンキングでの取引方法

金の売買画面を開いて、手続きは非常に簡単で送金などとほぼ同様となります。なお、取引は銀行の営業時間内となります。

① Tranfer From: 支払い口座(保有している金を売却する場合は金口座の…Gold)を選択。
② Transfer To: 受取り口座を選択。金を購入する場合は金専用口座の…Goldを選択する。
③ Details: 取引内容。Amountには取引量を入力。HSBC香港の金の取引単位はMaceメース。
Transfer onには取引実行日を入力。 My Notesにはメモ入力欄で60文字まで入力できます。
一度購入した情報（口座や金額、量）をTemplateとして保存することができます。再度同じ取引をする場合はTemplateを呼び出して使うことができます。

取引単位のMaceついて

貴金属や宝石の原石の計量に用いらる単位に関して、香港では金の取引単位は古代からの中国の質量を表単位であるMaceメース: 錢と、その10分の1のTealテール: 両(1teal=10maces)で表記されることが多いです。米国を中心に使用されている単位ヤード系のTroy ounceトロイ オンス: ozt(1ozt=31.1034768g)や世界標準のメートル法で且つ日本で一般的なGramグラム: gへの換算レートのは下表になります。

ゴールド単位とレート

Mace: 錢	Troy ounce: ozt	Gram: g
1錢	0.1214ozt	3.778g
8.238錢	1ozt	31.10g
0.2647錢	0.03215ozt	1g

Mace/錢の単位はあまり利用しないと思うので、イメージしやすいように例えば、映画などでよく出てくる金の延べ棒の金地金(ゴールドバーのインゴット)は1kgなので1,000g分の金を取引するので1,000g÷3.788g/mace=264メースを、よく皆さんが香港で購入されるのはポケットに余裕を持って入るZippoライター程度の大きさが250gなので、250g÷3.788g/mace=66メースを購入すればよいことになります。1オンスの金貨の重さを購入した場合、8.238メースを購入すればよいことになります。

ちょっと一息コラム。有事の「金」投資の秘密

金銀そのものでは何の使い道もありません。食べることもできず株や債券のように配当や金利を受け取れません。 その代わり、金は象徴的な意味が大きいと思います。
おそらく世界で最も有名なウォーレン・バフェットも2020年まで金投資に対しては否定的でした。しかし、2020年にカナダにあるグローバル2位の金鉱山会社バリックゴールド社に投資を始めて戦略の大きな変化がありました。

金投資が常に安全とは限らない！

金が仮想通貨に代表される無茶苦茶な変動性のあるものに比べて、安全資産だといって、投資から得られるリターンも常に安全とは限りません。
金も投資商品です。
その分変化する経済環境によって相場が変わるしかなく、むしろ投資した時期によって損失を被ることもあります。
1869年に米国エリー鉄道ののCEO、ジェイ グールドが大きなレバレッジをかけ金を買い占め売り戻して暗黒の金曜日と言われる大恐慌まで引き起こした。1980年には原油高によるインフレとソ連のアフガニスタン侵攻、イラン革命の影響などで投資家が金を買い集め、1オンス850ドルの史上最高値を記録したのち、数カ月後に半分程度に暴落した。運悪く投資した時期によって損失を被ることがあることを分かるかと思います。

金はいつ投資すべきか

金の相場も株式市場の相場のように市場参加者の心理が反映されます。短期間で大幅に上昇した状況下で、さらに上昇すると見込めば相場を追う投資家が集まり、金の価格もバブルとなります。つまり、金価格も原則として需要と供給により決まるということです。単純に金の生産量が多くなると価格が下がり、需要が増えれば価格が上がり他の商品と似た構造を持っています。しかし、金はその希少性のため生産量の供給の問題よりも経済状況に合わせて需要の増減し、価格が動く機会が大きいのです。ある試算によると、世界の金の需要は供給を1,000トン上回っています。新規の採掘能力がないため、金のほとんどはリサイクルされているので、供給量が少ないことも金相場の変動要因となっています。
需要に関して、古来より貨幣として利用されてきた中国やインドのような古い国を始め、その国々の人口と所得の増加でこれまでよりも積極的に金を求める需要が増えてきています。
それでは、アフターコロナの経済状況で金の価格は今後どうなるでしょうか？

今後5年間の金価格の予測

今後5年間の金価格の可能性を見ると、金価格を上昇させる要因はたくさんあります。投資家側の恐怖心や経済の不確実性を高めるあらゆる要因を考慮する必要があります。現在、取り巻く環境には、あらゆる種類の危機を引き起こす可能性のあるのが現実です。最も問題は通貨の希薄化でしょう。
輪転機回してお札を印刷すればするほど金や銀などの実物資産の価値が高まります。
世界各国政府は、金融刺激策と財政刺激策の両方を取っていますが、金融刺激策は通常、まず銀行システムに投入され、結果的に株式を初めとする資産価格を上昇させる。しかし、財政的な刺激は、経済に直接注入され、すぐに使われる資金です。例えば、私が100ドルをあなたに渡すと、あなたはその日のうちに食料品に使うのではなく、普通預金に預けてしまうようなものです。ただ、財政刺激策に使える何兆円もの余剰資金はどの政府にもありません。すでに予算のバランスが取れていないのです。
雇用が創出され経済が成長すれば、税収が増えるのでバックエンドで「回収」できると主張する人もいます。しかし、現在の債務と赤字は数学的に払えないほど高額です。また、歴史的に見ても、これらはインフレにつながることは明らかです。
何かを作れば作るほど、その価値が下がることは、小学生程度の教育でも理解できますね。このような巨額の支出計画のために紙幣がどんどん印刷されると、通貨の価値はどんどん下がり、金の価値が上がることになります。
このため、最も自信を持って予測するのは、今後5年間、あるいはそれ以上の期間、少なくとも金価格は倍になるでしょう。