明暗を分けた新興市場
本年度のフィリピンの政府の財政支出は、第2四半期まで前年同期比2.6%減少となっているものの、その期間における家計消費は5.2%増加となっている。消費が堅調さが裏付けされ、産業生産増加率も7.6%、サービス業の増加率も5.4%に及んでいる。
先月27日に発表された第3四半期のGDPが前年同期比5.3%の増加にとどまり、6%以上を期待していた市場であったが海外投資家の期待はなおフィリピンに注がれているのは、財政支出の減少と消費の拡大でうなずける。
国際通貨基金(IMF)は、2019年までに、フィリピン経済は年間6%以上ずつ成長すると予想し、これは、1950年代以来、最も強気な成長と評価される。HSBCのアナリストは「2016年の大統領選挙が行われる時点で、フィリピン経済が過去100年間の最高レベルに到達する」と予想。フィリピンの株式市場は9月の7393ポイントの高値に挑戦中となり突破することになれば、テクニカル分析上からも、上昇を後押しすると見られ、一段とリスクオンのモードに突入することなる。
インドは金利据え置きも景気回復
2日インド中央銀行(RBI)が政策金利を8.0%に据え置きを決定した。これにより、インドは経済界から要求があったももの5カ月連続の金利の引き下げないことになる。インドの株式市場は年初から30%の伸びとなっていおり、継続的な資金流入に従い、来年初めの金利引き下げ観測もあり株式相場は伸びると予想。
マレーシアは下落基調
マレーシア株が下落基調にある。マレーシアの通貨リンギは先月28に対ドルで約5年ぶり安値を付けた。石油の純輸出国であるマレーシアの経済に原油安がマイナスに働くとの懸念から機関投資家がリンギを売り抜けている。株式市場は8月からの大きな下落幅を記録後、7月の高値を突破できずにいる。現在10日移動平均線の下落が50日移動平均線付近に近づいており、テクニカル分析上では更なる下落リスクが懸念される。