利上げを意識し米ドル高、資金は米国へ
ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)の報告書ではユーロと米ドルが1:1で取引できる日も遠くないとし、待望の米ドル強気相場が展開している。先月の8月には対ユーロと円、ポンドの主要3通貨に対して月間上昇トレンドを見せたのは2008年以来となる。
来年の米利上げ予想による影響を受ける中、欧州における大規模な量的緩和の可能性もあり、米ドル買いの米ドル指数の強気基調が続いている。指数は昨年9月の高値を突破後、その後は84以上の水準で前進すると見られる。米ドル高は資金がキャリートレードを通じて米国に流れつつあることを反映しており、この情況が続けば、米国以外の資本市場で資金流出によるダメージの可能性が高まる。
米ドル指数もで見たととおり、何よりもドル買いの要因は金利の早退的高さにもよる。 10年物米国債の金利は現在2.5%と決して高くないが、英国、カナダ、日本、一部の欧州諸国と比較しても相対的に高い。 FRBは来年政策金利を引き上げると予想される中で、日本銀行とECBはまだ量的緩和の出口策を講じていなく、この拡大された金利格差は、キャリートレードを生む。投資家らが金利が低い通貨で借り入れ米国に国債を通じて貸し与えることより、同時に米ドル強気基調の中、米国債に流入している資金も見られる。年明けから10年国債の利回りはすでに下降トレンドを形成しており資金流入が反映されている。下降トレンドのボトムはおよそ2.3%付近で、米10年国債利回りはさらに低水準を更新する可能性がある。
スタンダード&プアーズ500指数 S&P 500
米国へのマネーフローの恩恵を受け、先月8月にはS&P500指数は史上最高値を更新。米ドル強勢のサポートを受け、米国株はこの先短期で更なる好調が見込めそうだ。米国株が何度も高値を更新するにつれ、投資家達から米国株の先行きに対する様々な見解が出始めており、米国株はすでに高値圏にあり将来的に暴落の可能性があるとする声もある。予想の差違が生まれるところだが、市場の関心は来る16日から二日間開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に注目している。
上海総合指数 SSEC
最近の製造業データでは中国経済の下落圧力が見られるものの、中国本土の株式相場は上昇。要因は中央政府による経済刺激措置への市場の期待感と見られる。また周知の通り、来月には滬港通(上海香港・ストック・コネクト)が始動となるため、中国・香港の株式市場のトレンドに影響を与えるだろう。上海総合指数はダブルトップを突破、もし2260以上をキープできれば、その後2350への挑戦が期待できる。