欧州中銀がマイナス金利
半年以上に渡る低インフレ圧力に苛まれ、ECB(欧州中央銀行)はついに先週に更なる政策金利の引き下げを発表。中銀預金金利をマイナス0.1%へ引き下げるとし、ユーロ圏は“マイナス金利”の時代に突入した。同時に、追加景気刺激策が発表され、デフレ回避を図る。ユーロ安により欧州の株式市場が刺激され、ドイツDAXは史上最高値を更新し10,028ポイントをつけた。しかし近日、世界銀行が2014年の世界経済見通しを3.2%増から2.8%増へ下方修正したことから、マーケットの投資意欲がダメージを受け、株式市場では調整圧力が見られる。株式市場の先行きは、刺激策が功を奏し欧州経済が苦境を脱せるか否かが左右するであろう。
BVSPブラジル・ボベスパ指数
W杯が開幕し、開催国ブラジルに注目が集まっている。これまでの経験上、W杯は開催国の旅行・小売・飲食などの業界収益を大幅に拡大させ、経済や株式市場に常々大きな刺激効果を与えてきた。ボベスパ指数は今月大幅に6%反発し、55,000ポイントを突破、今年の下落幅を回復した。ブラジル株に影響を与えるもう一つの要因は、今年10月に控える大統領選挙だ。現大統領の政治経済状況に対する国民の不満が高まっており、もし10月の総選挙で新大統領が選出されブラジル経済を改善できれば、株式市場は更なる伸びが見込めよう。
SSEC 上海総合指数
最近中国本土の株式市場は多重な要因の影響を受けている。政策面では、政府が預金準備金率引き下げで経済へより多くの資金注入行うなど、多くの刺激策を実施し経済下落を抑制しており、株式市場に効果が見られサポートを得ている。加えて、中国A株のMSCI新興市場指数への組み込みが見送りとなり、市場の期待は空振り。上海総合指数の上昇トレンドは2,050ポイント近くにレジスタンスが見られる。同時に、間近に迫る新規株式公開(IPO)の再開も先行きに影を落とす。テクニカル分析上では、移動平均線が狭まってきており、100日移動平均線近くで抵抗が見られ、トレンドの分岐点に直面すると見られ、もし突破できればこの先の上昇の可能性に期待できよう。