利上で楽観的見通し
先週、米FRBの最新決議から市場に新たな情報が提供された。イエレンFRB議長は失業率基準による利上げの破棄を発表し、量的緩和(QE)終了後の約6カ月後に利上げする見通しを示唆した。今回の発表で、FRBは具体的な利上げ時期について初めて明らかにしました。一般的な市場予測よりも早期の利上げとなり、FRBが現在の米国経済回復に対し楽観的なスタンスを維持すると見られます。この材料に刺激され、新興国市場から米国市場への資金流入が加速すると予想され、その日のうちに米ドルほとんどの通貨に対して上昇し、株式市場は下落した。
FRBの楽観的情緒は経済指標の裏づけも得ており、労働市場が冬の悪天候による影響から抜け出すにつれ、新規失業保険申請件数が3週連続で予想を下回る結果となっている。また消費面では、小売業が下げ止まり、消費者信頼感指数も2008年来の高水準となっており、消費者の経済に対する楽観度を更に強化していることが分かります。そして産業面においても、製造業生産量が増加し、製造業景況指数が予想を上回っている。各指標の中で、不動産市場の回復がやや遅れており、極めて悪かった冬の天候が家屋建設を妨げ、住宅着工件数および新築住宅販売件数ともに続落となっている。しかし、天候が安定するにつれ、この情況は改善されるはずだ。
失業率を利上げ基準の指標にすることは無くなったが、イエレン氏は今なおインフレ目標2%を掲げています。米国の最新の消費者物価指数(CPI)の伸びは1.1%へ反落しており、目標からはややかけ離れています。インフレ抑制を解決し、債券購入プログラムを縮小する過程において、インフレ率の更なる下落を防止することがこの先のFRBの主要任務となるだろう。
今週は楽観的情緒が牽引し、米国株はもみ合いながら小幅上昇している。米ドルの強気基調は新興国通貨に対する圧力を生んでおり、新興国の株式市場も資金流出の影響を加速しましたが、その後徐々に安定している。米国経済が安定的であることに加え、ロシアの地政学的懸念が緩和したことから、市場のリスク回避の情緒が弱まり、今年に入り強気相場が続いていた金先物は高水準から1オンス=1300ドル付近へ反落している。世界の金融市場の第1四半期を振り返ってみると、米国株は安定を維持しつつ緩やかな上昇となり、今後も資金流入が続けば、米国株は依然として良い投資選択であると言える。