金融緩和政策へ
2月17日、日本内閣府は2013年のGDP成長率を発表。昨年の第4四半期のGDPは0.3%増、年間では1%増となり、予想されていた2.8%を大きく下回った。“アベノミクス”が全体的に推し進められる中、日本のGDPが未だにプラスの刺激を得られない事から、一連の量的金融緩和の効果を疑問視せざるをえない状況となっている。
円安化の面では、アベノミクスは確かに重要な役割を果たし、2013年の日本円は年間で累計18%安となった。理論上、円安化が日本の輸出を伸ばし、これによって経済を刺激できるはずですが、このロジックは今のところ全く功を奏していないようだ。2013年12月の輸出は15.3%増で、前年同時期の18.4%を下回る水準となっており、この輸出鈍化は主に周辺国の需要減退よるもので、円安化による日本の商品価格の優位性は、輸出総額を押し上げるまでには至らなかった。これもまた、GDP成長の足かせとなっている主な要因。最近では諸外国の需要が次第に反発を見せていることから、将来的に円安化の優位性が反映され、輸出拡大を刺激する可能性が期待さる。
同じくして、円安化は副作用ももたらし、まず、輸出が鈍化する中、割高な外貨の為替レートが輸入需要を抑圧し、昨年12月の輸入総額は予想を下回った。そして、原発が停止している日本はエネルギー源のほとんどを輸入に頼っているため、エネルギー価格が押し上げられ、国内の生産コストが上昇し、企業の利益を更に圧迫、そして同時に商品価格の上昇も招いている。一連の連鎖反応を経て、国内需要も抑圧されてしまっている。
本来は今年4月の消費税が引き上げ前に、かけこみ需要による景気刺激が見込めると予想されていましたが、実際のところ最新の小売業及び世帯消費支出の伸びはいずれも思わしくない。このため、日本経済は円安化によって内需と外需が同時に弱化するという二重の圧力を受けることになった。 そして2月18日、日銀は決議発表において、政策金利を0.1%に据え置くとし、また国債買い入れについては現状の年間60兆~70兆円規模の資金供給を維持すると発表。量的金融緩和においては、日銀は経済回復の鈍化を理由に更なる緩和政策を打ち出すとはしてはいないが、本来は今年3月までとしていた成長支援融資を1年に延期し、緩和規模拡大を決定した。この発表の影響を受け、本年不調となっている日本の株式市場は1日で大幅に3%上昇。
今年に入ってから日本の株式市場は累計10%下落しており、経済指標が続けざまに下落する状況下で、日本に対する更なる金融緩和政策への予測が次第に加熱している。このような圧力下で、日銀が金融政策をある程度てこ入れする可能性は大いにあるだろう。