構造改革なくして発展はない
HSBC及び中国国家統計局発表の製造業購買担当者景気指数(PMI)はいずれも市場の予想を上回った。しかしサブ指数を見ると、中国本土の製造業のほとんどが理想的であったわけではない。サブ指数では、大企業及び中企業の継続的拡大と、小企業の継続的減速が示されている。
中国本土では大企業の多くが国有企業であり、市場が規制に守られていることから、中小企業のパフォーマンスより優れているのは当然だと言える。中国経済が更に健全な発展を遂げるには、中央政府がより多くのリソースを投じて中小企業を支援するべく、税制改革を実施することも一つの対策となるだろう。
小企業のパフォーマンス不振に加えて、対外貿易の受注データも同様に不調だ。少し前には、米国連邦政府機関の一部が十数日間閉鎖(シャットダウン)となり、世界経済に与えた影響をしばらく観察する必要もある。例年米国では感謝祭からクリスマスまでが消費最盛期となるが、年明けに米国は再び財政及び債務問題懸念で制約を受ける可能性があり、先行きが明るくない状況では、今年の消費最盛期に水をかけると見られる。もし米国の小売市場が低迷となれば、中国の輸出業績は圧力を受け、この先の製造業購買担当者景気指数(PMI)も当然さほど良くはならないだろう。年間経済成長率目標7.5%の達成は難しくないものの、各経済セクター全てで好業績を確保するのは、やはり容易な事ではない。
先日、習近平国家主席は、間もなく開かれる三中全会(第3回中央委員会全体会議)で総合改革案を提出する予定だと表明しており、発展は構造改革によって今後築かれるだろうと述べている。構造改革の遂行なくして、中国経済の継続的発展は不可能だ。投資市場の動向にとって、構造改革は好材料にも悪材料にもなる。なぜなら、改革では必ず支援及び規制政策の影響があるからだ。
支援対象となった企業やセクターであれば関連株を有望視できるようになるが、逆もまた然りとなる。三中全会を時機と見て投資した方々は、手中の銘柄に関連する業界が規制対象となるか否かに留意が必要となる。