米ドル79ポイントの水準へ
米FRBの次期議長候補として有力視されていたラリー・サマーズ元財務長官が候補を辞退した。加えてベン・バーナンキ氏の緩和策縮小先送りや、米実質国内総生産(GDP)成長率見通しを2.0%~2.3%に下方修正したことから、2015年以降にようやく政策金利が引上げになると見られている。あらゆる悪材料が米ドルのトレンドを抑圧し、少し前の底値80.5を割り込んだ。米ドルは更なる下落傾向となり、79ポイントの水準を試みる可能性がある。
株式市場は米連邦公開市場委員会(FMOC)の結果及び金融緩和策縮小予定の発表を待ち受け、その結果、米FRBは緩和策縮小の決定を先送りにし、市場予測と反して、米国債の購入規模についても毎月850億ドル規模を維持するとした。米国の株式市場はニュースを受けすぐさま今年の最高値まで上昇、1725ポイントをつけた。金融緩和の縮小の意向は未だ無く、短期で市場がなおも強いトレンドを維持すると予想される。
ブラジル・ボベスパ指数
新興国市場の反発に従い、9月のブラジルの株式市場の上昇の幅はすでに8%近くとなっている。チャート上でも段階的な上昇が見られ、健全なトレンドとなっている。このほか、バルチック海運指数の急上昇で海上運輸の順調な回復が見られ、輸出をメインとするブラジルに有利となっている。またワールドカップやオリンピックなどの世界的イベントが国家建設を牽引し、パフォーマンスはこの先中期で楽観的と見られる。