アベノミクスの「第4の矢」
9月9日、日本政府が第2四半期の実質GDP(国内総生産)成長率を発表した。
第2四半期の実質GDPは前四半期比 0.9%増で、市場予測と合致しており、尚且つ速報値の0.6%を上回った。前期比年率では3.8%増で、速報値の2.6%を上回り、市場予測の3.7%増。また、第2四半期の企業設備投資は1.3%増となり、2011年第4四半期ぶりに増加を記録。加えて、五輪開催地投票の第2ラウンドで、東京(日本)がイスタンブール(トルコ)に勝利し、1964年に継いで2回目となる夏季オリンピック開催都市となることが決定した。それぞれのニュースが好材料となって日経平均を牽引し、ここ1カ月の最高値を更新、9月11日に14425.07ポイントを記録している。
安倍晋三首相は自ら国際オリンピック委員会(IOC)総会が開催されるアルゼンチンへ赴き、最終的に望みどおりオリンピック開催権を勝ち取った。安倍首相がここまで重視する背景には、大胆な金融政策や機動的な財政政策及び民間投資喚起等のアベノミクス「3本の矢」に加え、安倍内閣がオリンピック開催決定が「第4の矢」だという位置づけがある。
東京都の予測では、オリンピックが日本経済に2.96兆円規模の経済効果をもたらし、15万人の雇用機会が生まれると見ている。しかし、過去の統計によると、決してすべてのオリンピック開催都市が経済効果をもたらせているわけではない。
これは政府の財政予算及び実際の支出が関連している。しかし安倍内閣はオリンピックがデフレを終結させる経済の起爆装置であると確信しており、ニュージーランド銀行の通貨ストラテジスト、マイク・ジョーンズ氏によると、東京が2020年オリンピック開催権を獲得した事は、安倍晋三氏が円安化及び経済構造改革の政策実施に役立ち、近日の日経平均上昇と円安の主な原因となっていると指摘している。 加えて、第5の矢の準備も進んでおり、早ければ今秋にもカジノ法案が国会に提出されると見られています。
分析によると、東京の五輪招致成功はカジノ法案の可決を後押しし、カジノリゾートが建築されるによってオリンピック開催時に活用できるホテル部屋数やレジャー施設が提供され、観光産業の追い風になると見られる。
2020年東京オリンピックはこの先7年の経済を牽引できるか否かはまだ未知数であるが、日本が着実に近年の不景気から抜け出しつつあることだ。