新興国市場の株式は如何に
新興国市場(Emerging Market)の株式はここ数年で1番悪い投資選択の一つとなる可能性が高くなっている。過去10年間のうちほとんど、投資家たちは新興国市場の株式に魅了されてきた。2008年に金融危機が勃発する前の数年間で、新興国市場の株式は高騰を続け、多くの市場と比べアウトパフォームとなっていたため、早いうちに市場へエントリーした投資家たちは大いに利益を得たことだろう。かつて2008年の金融危機により一旦下落を見せた後、初期に受けたダメージも力強く反発し、なおも投資家にリターンをもたらした。しかしここ最近は新興国市場の株式のパフォーマンスは深刻なアンダーパフォームとなり、国内外の要因も皆不利となっているため、株式市場は下落し、投資家たちは損失を被っている。
幸運にも10年前に新興国市場の株式を買い入れていいると、2つの新興国の株式指数のパフォーマンスが非常に好調だったことが勝因となります。MSCI新興国市場指数及びBRICs指数は年利でそれぞれ9.95%増と12%増に達してるのだから。
一方、もし5年前に買い入れた場合は、MSCI新興国市場指数の年利は0.04%増で、これは投資家にとってほとんど収益が無いことを意味している。そして同期間のBRICs指数(ブラジル、ロシア、インドと中国株式)は年間の変動幅が3.7%減となっている。 なぜ購入時期が数年違っただけで、収益の差がこんなに大きくなるのだろうか?
これはまず、新興国市場の株式がとても強い周期性を持っているのが原因となって、上昇と下落のサイクルが成熟国市場よりも短期で、下落幅がたびたび直前の上昇幅を相殺しているからだ。その次に、主権・政治リスク(Sovereign or Political Risk:主權或政治風険)が主な原因が挙げられる。
多くの新興国経済の表面上の安定は、力強い成長の上に成り立つものですが、経済成長が減速するにつれ政治情勢の予測が難しくなり、ひいてはトルコの暴動のような事件が発生してしまう可能性すら出てくる。もし低所得層に対しインフレ率と収入の減少の衝撃が発生してしまうと、ロシアやインドそして中国に至るまで、どの国でも主権・政治リスク(Sovereign or Political Risk:主權或政治風険)に直面する可能性があるのだ。
このため、投資市場で収益をあげたいと考える場合、成熟国市場であろうと新興国市場であろうと、手堅い投資理論と経験を持っておく必要がある。マクロやミクロを含めた観点での分析は、潜在力のある株式や市場を選択する際に非常に重要となってくる。
更に一歩進めて、市場にエントリーする時機を見極めるというテクニックは、より多く経験を積んだ投資家がようやく掌握できるもので、一般的な小口投資家にはなかなかできる事ではない。