月内にも多国間で救済協調か
アメリカ5月雇用統計が予想より悪く、ハンセン指数は1月9日中の安値18,302を割り込み、今年の最安値となった。
香港株式市場は年初から現在にいたるトレンドは下-上への相場ではなく、上-下への下げ相場に変化し今年半期も楽観視できない状況。早い段階で筆者は、メディアでハンセン指数が18,302を割り込むか月足チャートのBollinger Band(ボリンジャーバンド)の底値のブレークを試みる可能性を指摘していましたが、前者のみ実現した格好となった。
ここで注意したいのは、ハンセン指数月足チャートの底値は約17,600を割りこみ17,200まで落ち込み、したがって、今年半期の下降トレンドはおそらく元々の予想より現実的になったと思われる。香港株式市場の下降トレンドは継続すると言えますが、5月ほど6月の香港株式は下降相場ではないものの、月内に何かの要素により市場が反発する可能性も高いと言える。
米国の雇用統計が2カ月連続で悪化するにつれ、数ヵ月後、オバマ再任に向けた重要な時期にさしかかり、第三半期、FRBによるQE3の実施の可能性が高まっている。QE3の実施となれば、7月を過ぎるべきでないと筆者は考る。アメリカの他、中国本土が量的緩和を実施するか否かは、将来の市況に大きく影響し、中国本土はここ数カ月の統計数値からは、経済刺激策をせざる得ない状況である。
かつて国家間でグローバル救済の枠組みが広がったことがありましたが、欧米中の市場救済処置で今回も足並みをそろえても不思議ではないだろう。
最後にギリシャは6月17日の総選挙をひかえ、その後、ヨーロッパの情勢は明確化することになり、欧州連合と欧州中央銀行が救済処置の実施を表明するには、理想的な時期ではないだろうか。
アメリカがQE3という形で協調し歩調を合わせると仮定すると、7月を逃すべきではないでしょうし、欧米が6月下旬に協力体制構築にむけてのチャンスをやすやす見逃すべきはなく、また、その場合には中国本土も協調する可能性も高いと言える。ひとまず、大規模な救済の枠組みが公布されると、大きく積もってきた下降幅は大きく反発することになるのは確かである。