構造問題がA株を左右
巷では今がA株の理想的な購入チャンスだと言う者がいる。A株のPERが割安であることや中国経済を成長させえるために、中央政府によるRQFII限度額の拡大などが原因となって、A株をどのように終始明るくできるのか。
認めざるを得ないことに上述の点は確かにA株投資に魅力を感じるものではあるのだが、これらの要因は決してA株が短期間の内に好転する可能性を表わしてはいない。なぜなら中国本土には信用拡大問題や、高齢化問題等の解決すべき多くの構造問題が存在しているからだ。
近年、シャドーバンキング(影の銀行)問題は各界からの関心を集め出しており、中国政府も関連規制を強化している。
融資がオンバランスなのかオフバランスなのかに関わらず、中には巨大な利権に及ぶものもあり、言い換えれば、貸付市場を正常な軌道にもどすことは、口で言うほど易い問題ではないのだ。
過去の歴史からわかることは、融資規模が拡大するにつれて経済危機勃発の可能性が高まるということだ。このほか、過剰な流動性もまた中国政府による金融政策実施の際の柔軟性を弱める可能性があり、政府にとって経済減速に際して大規模な刺激措置が難しくなってしまう。
改革開放の初期において、中国は安価な労働力を武器に経済発展を進めることができが長期にわたる発展を経て、生産コストの上昇に伴い中国が再び本当の「世界工場」の役目を担うのは難しくなってしまった。
経済構造を更に一段階引き上げるには、中国政府はこの「ボトルネック」を突破する方法を何としてでも考え出さなければならない。しかし、中国市場はに偽物や模範品があふれ、品質の良い自国ブランドはわずかに数えるほどしか無い。そして低品質商品の裏には様々な利権が団体があぐらをかいでいる。こういった状況で中国本土が経済構造を引き上げることは決して容易ではない。
中国本土では一人っ子政策の実施により、高齢化問題が近年顕著になってきている。とあるニュースでは中国政府が一人っ子政策を二人っ子政策に変更する可能性がある。しかし中国の人口はあまりにも多く、二人っ子政策は社会の資源不足に更なる拍車をかけ、新たな経済問題を生む可能性もある。
上述の問題のほか、市場が長年にわたって頭を抱える生産能力過剰問題も解決しなければならない。 株式投資が関連するのは全景のほんの一部分であり、中国本土経済の前途は試練に満ちてあふれているため、A株がさらに割安をもって健全とは言えない。