経済引してきた3頭立て馬車
HSBCが発表した4月の中国製造業PMI速報値は50.5。3月の確定値に比べ1.1ポイントの低下。中国本土における製造業の回復スピード減速が反映されている。
ほかの指数では、輸出注文指数が48.6へ下落し景況判断の分かれ目となる50を下回っており、中国の輸出市場が依然として厳しいものであると意味している。
諸外国経済も実際不安定で、ユーロ圏を例に挙げると、4月のサービス業及び総合景気指数(総合PMI、速報値)は46.5にとどまり、ユーロ経済も今なお低迷していることがわかる。諸外国経済に回復の不調が自然に中国製品に対する需要に影響してくるはずだ。くわえて、昨年11月から続く円安の流れも、多かれ少なかれ中国製品の競争力を弱め、中国の輸出に打撃を与えている。
中国経済はこれまでずっと輸出・国内消費・固定資産投資の「三頭立ての馬車」が牽引してきた。輸出不調のなかで、残る「二頭立ての馬車」が特別速く走れるかどうかは不明だ。
第1四半期からのGDPデータの消費増加は12.4%にとどまり、上げ幅は以前の数値より明らかに低い。国内消費がGDPに占める額はある程度拡大しているものの、増加の幅が弱まってきているため、現段階で中国経済を内需が牽引して成功するかどうかを語るには時期尚早と言える。
それに1つの国家経済はどのセグメントが牽引しているのかを判断する際、各セグメントのGDPに占めるシェアを見る必要はない。正しい方法としては、各セグメント間の関連を見ることである。中国では、対外貿易のGDPシェアが減少しているが、経済における影響力は非常に大きく、対外貿易の不振のときには製造業が委縮し、労働者による消費低下につながっている関連を見ることである。
ここから分かるのは、対外貿易が今なお国内消費を牽引していることに帰結する。
固定資産への投資の面では、かつて経済が不振であった際、政府は盛んに建築事業を後押しすることで刺激策を講じた。しかし、中国本土の融資総額は急速な拡大による問題悪化を避けるため、短期のうちに中国政府が固定資産投資を強化する可能性は高くない。
「三頭立ての馬車」の早急な発展が難しい以上、第2四半期の中国経済は減速リスクがある。