日経平均株価のトレンド
株価指数は今年に入ってから18%もの大幅な上げ幅を記録し、この上昇幅は世界の主要株式市場の中でも抜きん出ている。
多くの投資家やビジネスパートナーの方々から、なぜ破竹の勢いで上方突破を続ける日本の株式市場に投資しないか?と近頃よく問い合わせがある。
表面上、日本の株式市場は確かに素晴らしいパフォーマンスを見せている。日経平均株価指数はここ半年で約36%近く、ここ3カ月では約25%もの大幅上昇となっており、3月11日には4年半ぶりの高値水準を記録。今回日本が株式市場の上げ足を創り上げた主な要因は、安倍首相による量的緩和政策と10.3兆円規模の経済刺激政策の実施の発表によるものだ。その結果、全面的な円安が進み、輸出関連株の後押しとなって株価を引っ張ってきた。
しかし実際のところ、世界の基軸通貨である米ドルで換算してみると、日経平均株価指数のパフォーマンスは普通であったと言える。米ドル換算の折れ線グラフを見ると、年明けから~現在(米ドル換算)では上昇率は6.71%に留まり、リターンが12.45%に達する第10位のインドネシアの後に並んでいる。
各国株式市場 | 自国通貨での上昇・下落幅 |
---|---|
ドバイ | 19.50% |
アルゼンチン | 18.65% |
日経225 | 18.47% |
フィリピン | 16.75% |
ベトナム | 14.89% |
スイス | 14.37% |
アブダビ | 14.20% |
アイルランド | 13.81% |
タイ | 13.27% |
インドネシア | 12.45% |
また、6カ月でみますと上昇幅は11.5%となり、フィリピンやアルゼンチンの30%以上の上昇幅と比べ、ずいぶん見劣りすることがわかります。
各国株式市場 | 自国通貨での上昇・下落幅 |
---|---|
アルゼンチン | 39.01% |
日経225 | 37.44% |
フィリピン | 30.33% |
タイ | 25.14% |
ドバイ | 23.39% |
ベトナム | 22.40% |
トルコ | 22.24% |
ギリシャ | 22.15% |
スイス | 20.23% |
アイルランド | 18.93% |
弊社が日本の株式市場を選ばない理由は、ほかにより良い選択肢となる投資先が存在するからにほかならないのだ。アウトパフォームでのリターンを追及するだけでなく、リスクも非常に重視して、短期に日経平均株価指数には比較的大きい利益確定売りの圧力がかかる可能性があり、最近の日経株価指数が半年前と比べ明らかに見劣りすると見ている。また、私どもは日本が長期デフレにみまわれる実体経済状態を立て直せるかどうかをよく観察した上で、弊社の適切なポートフォリオへと調整を続けている
また、国家レベルで見た場合、日本の量的緩和及び経済刺激政策が日本企業の東南アジア地区での投資・拡大を推進し、インドネシアやタイ、マレーシアなどでの資産価格や投資・消費拡大に貢献している。言い換えると、現段階では日本以外のアジア全体がすべて投資構成の良い選択であると言えるだろう。