老後のための資産管理のヒント
香港大学で成人3,500人以上を対象に資産管理についての電話アンケートが実施された。
成人の過半数の人たちが年配家族の資産管理に協力したことがあると答えた。年配の家族に健康問題が発生し、自分自身で資産管理の諸手続きができなくなったことが協力に至った主な原因なのだそうだ。
このほか約半数の回答者が、手続きが複雑であることや年配者の財務計画に対する不安から、その協力する過程において数々の支障をきたしたと答えている。
弊社では、健全な資産管理の有り方として、次のように考えている。まず手続きの方法はとても分かりやすくあるべきだということ。
そして、定期的な家族会議を行うことで年配のご子息などの遺産問題を整理し将来の争いごとを減らすこと。
そして同時に長期間にわたって有効な処理、ここでは遺言やそれに準ずるものを用意しておくことで、年配のご家族に万一のことが有った場合にスムーズに、被相続者の代わりに処理を行えるようにしておくことだ。
事実、現役で活躍している方だけが、周到な投資計画や資産管理をすればよいというわけではなく、リタイヤを迎えた方や年配の方々のほうがよりいっそう資産管理に注意しなければならない。
万一資産が知らぬ間に損失を出していたら? 安定的な収入源を確保できなくなれば? その後の生活水準に暗い影を落とす。ご自身を含め年配のご家族がこういった事態を免れるにはどうすべきだろうか?
「資産管理の七つの罪」
1.時間が増えるほど出費も増える
時間ここでは余暇がたくさんあれば旅行やお出かけ、ショッピングへ…しかしこれらの娯楽はすべて無料とはいかない。そして特に医療費は長引くほど、莫大な出費となる。
2.大きすぎる向上心 過剰な保守性
香港ではある年配は毎日のように証券会社に赴き投資の研究をしたり、しきりに売買をするなど、大きな向上心を持って努力を惜しまない。相反して、保守的な年配の方は一生涯の貯金を銀行の定期預金口座の中に眠らせてしまい、これはあまりにも保守的だ。
3.流動性の低い資産
年配の方は不動産投資など賃貸収入を得られる投資手段を好む傾向がありますが、プロの私たちからすると流動性が低いため、換金能力が低く見える。
4.リスクの認知不足
個人のリスク許容度は、投資をする上でとても重要なポイントだ。多くの年配の投資家が自信のリスク許容範囲を軽視している。自分に合う投資専門のアドバイザーを見つけて健康診断と同じくリスク許容度のチェックを行うべきだ。
5.羊の群れの心理
年配の方は投資において、他者の影響を受けやすい傾向がある。これでは他者の受け売りをすることとなり、多くの場合で高値の株式を追随する投資スタイルとなり、最終的には「蟹民(持ち株の株価が下がってしまった人々)」に成り果ててしまう。
6.手っ取り早い利益を求める
年配の投資家が「数字だけを求めて、ファンダメンタルは問わない」というのはあまりに知恵が無く危険なことだ。株式や社債、ファンドを投資に投資する投資家は投資する前に、アニュアルレポートを閲覧するなど投資対象となる企業の調査と研究を行う必要が有る。
7.ファンダメンタル分析の欠如
自分で投資した企業の背景、利潤能力、債務などの情報が不明な場合、年配の方は判断がとても難しくなる。ファンダメンタル情報の認識と分析能力が必要だ。
弊社グループが定期的に開催しております「老後の資産管理ワークショップ」においても、皆様に「資産管理の七つの罪」を回避する重要性を参考、皆様が老後も投資の楽しみを享受できるようサポートさせていただいております。どうぞいつでもお気軽にお問い合わせください。