金融政策不足で支持線を下方突破
欧州では明確なギリシャ救済策のディテールが不足している。米国内も「財政の崖」の懸念の影響を受けているが、共和・民主両党は依然はっきりした道筋を示せていない。このことが米国マーケットの雰囲気および投資家心理に影響を与えており、ダウ平均株価はすでに上昇トレンドのサポートラインを割り込んでいる。現状、サポートラインは約12500ポイントに変更、短期予測はマイナストレンド。
中国製造業購買担当者景気指数(PMI)はたとえ高水準であったとしても、中央政府は十八大終了後も大規模な市場救済方案が出てきていいない。中央政府による金融政策の位置付けは更なる高度成長から安定成長へと変化しているため、たとえ政策実施を発表したとしても、市場を大幅に反発させる効果をもつ可能性はない。
米中両国の株式市場が制限を受けているものの、香港株市場はまだ顕著な下落情況には至っていない。今週、香港金融管理局(HKMA)は引き続き市場へ追加で31億香港ドル近くの資金を注入、投機的資金が依然として香港市場に流れ込んでいる事を反映している。注入資金の支持を受けて、ハンセン指数は安定した上昇トレンドに乗っている。
フィリピン市場は今年内部成長が加速しており、世界における上昇市場の第1位となっている。国家は絶えず外国投資を奨励し、2012年の第3四半期にはGDP成長率が7.1%と、去年同時期の成長率6%とくらべても成長が見られる。フィリピン市場はなお上昇の勢いがあると見られ、伸びしろが見込まれる。