鉄道業界は全面回復
十八大(第18回中国共産党全国代表大会)を終え、12月に行われる中央経済工作会議が市場の焦点となってくる。その際に中央政府は2013年の経済成長目標及びインフレ目標を掲げてくるわけだが、これらの目標数値から中央政府が来年の経済状態をどのように評価しているのかが見えてくる。今年の厳しい経済状態を経て、2013年の中国経済は順調に景気の底を打つのか? はたまた、中央政府はどのような経済政策をとって経済成長を安定させるのか? など、中央経済工作会議における主要責任者の言及や会議の結果から、いくつかの手がかりをつかむことができるはずである。
経済成長を安定させるためには、インフラ整備支援が依然として中央政府の重点的な政策であるというのが筆者の確信するところである。すこし前、胡錦涛国家主席は十八大の会議上、GDPを2020年に倍増させたいとし、工業・農業・国防・科学技術の「四つの近代化」を通じて目標を実現すると提起した。「四つの近代化」において、都市化はその中の一つであり、都市化は過去10から20年の間に中国の経済発展のために際限ない力を注ぎ込んできた。沿岸の第一線都市(北京・上海・広州・深セン)が全体的に豊かになるにつれ、この先は二線・三線都市の都市化の加速が重点的になってくるはずである。これによって中国経済維持を比較的速い成長が可能になるだけでなく、同時に各都市間の格差も縮められるはずだ。
都市化を推進したければ、インフラ建設とのセットが不可欠だ。中でも鉄道建設は最重要課題と言える。中央政府の政策に合わせて、行政機関の鉄道部は今年に入ってからすでに3度も投資規模を引き上げ、投資総額は6,300億人民元に達している。鉄道部のほか、発改委(国家発展・改革委員会)も9月初めに25の都市鉄道プロジェクトを一斉に認可、その投資総額は1兆元(約13兆日本円)を上回っている。中国本土メディアの報道によると、鉄道部は2010年以来となる動車組列車(中国式新幹線)の大規模な入札募集をする可能性があるとし、今回の入札募集の対象となる動車組列車は350~400編成で、この規模は過去5年で2番目の高水準となる。募集が再開すれば、関連する設備生産業者は恩恵を受けられる可能性がある。膨大な鉄道関連投資サポートのもと、鉄道関連株はここ一年の景気の底を相次いで脱している。