インフレリスクを懸念
3月、中国の消費者物価指数(CPI)が昨年同時期に比べ上げ幅はマーケット予想を超える3.6%上昇し、先月から0.4ポイント反発した。
CPIが大幅に反発となったが、生産者物価指数(PPI)は28ヶ月ぶりのマイナスとなった。PPIが下落するなか、CPIが反発したものの潜在的にこれ以上、上昇する余裕はないことはマーケットでは折込済みである。しかし、マーケットの見立てと筆者の見解は異なり、大陸のインフレの根本的な原因は食品、または食品価格に影響を与える要因が多すぎて、コントロールするのが難しくなっていると考える。
食品価格の安定させるには、十分な供給量を確保することが非常に大切である。しかし、大陸の食品の供給量は往々にして人工的、非人工的な要素に大きく左右されている。人工的な要因の面では、農産品はよく投機対象となり、生姜、大蒜、玉ねぎ、卵などの全てが投機対象となります。一旦、食品関連の投機熱に火がつくと、価格を吊り上げインフレを煽ることとなります。
非人工的な要因としては、農産物の供給には天候が起因し、例えば年初、寒天となると大陸の野菜価格は大幅に上昇する。洪水や台風シーズンに大陸が入ると、天候要因は直接、農産物の収穫に影響を与え、将来の食品価格に不確定要素を付け加えることとなる。
内部要素を除く外的要因が大陸のインフレに影響するのだが、近々、日欧は量的緩和処置を実施し、米国もQE3を実施する可能性がある。グローバルホットマネーが氾濫した状況下では大陸のインフレは一層、加速することになる。 これ以外に国際原油価格の相対的な高値水準の維持は、消費者物価に上昇圧力を加え、大陸の生産物価格も引き上げることとなる。
総じて言えば、大陸のインフレは不確定となるが、来るべき2-3ヵ月のデータがキーポイントとなり、仮に、消費者物価が数ヶ月あがり続けるというこになれば、中国人民銀行のマネタリーベースを増やすことはなくなり、そのときには、ハンセン指数は更なる調整局面に入ることとなる。