短期弱含みで推移のグローバル金融市場
ギリシャ2011年の債務のGDP比率は165.3%。ヨーロッパ債務危機の再燃及び、ここ2カ月の予想せぬ米国雇用統計の数字の影響でグローバル金融市場では昨今、投資熱は明らかに悪化している。
注目すべきは、金融市場の下落傾向は広範囲に渡っており、株式、為替および先物価格が下落し、冷えた心理が金融市場のトレンドとなり投資熱は現段階では好転しがたいと思われる。
株式市場においては水曜日のダウ平均株価が12,748Pと下げたが、なんとか終値は12,800の重要なサポートライン上まで戻した。翻って香港株式市場に関しては、ハンセン指数が火曜日に去年10月4日の安値以後続いていた上昇傾向から下落に転じ、市場が明らかに弱含みに転じたことが見てとれる。3月23日以後、ハンセン指数は50~100の間に上下していたが、短期的に100P上を突破しないとなると移動平均線あたりのボトムである20,000Pを割るかもしれない。香港株式市場のレコードから判断するとNYダウが12,800を割る可能性が高いと言える。
為替市場に関しては、ヨーロッパの政局が不安定でユーロの下降トレンドが1.30を割ってきた。ギリシャでは今月中に100億ユーロの債務期限が到来し、獲得した援助分を6月で使い終わることになり、仮にギリシャ各政党が連立を組めないようであれば、債務不履行の可能性が大きくなる。政局の行方が不明瞭な現在、ユーロの弱気相場は続くであろう。米ドル為替指数が80ライン上の1月の高値を突破するようになれば強い米ドルが証券市場に圧力となります。
証券市場以外では、米ドルの強気相場は先物商品価格に不利に働きます。金は資金の避難場所と看做されるが、2月末から金価格は下降ぎみとなり、火曜日には1,600米ドルの関を切った後に、完全な下降トレンドとなりました。1,610米ドルは金価格の大きなサポートラインである上に、アメリカの最新雇用統計により経済回復のパワーに弱みを帯び、需要の減退への懸念から昨今のオイル価格の一割に及ぶ大幅な下落につながってきた。
以上の昨今の市況観から投資家は力を温存し軽はずみな行動を差し支えるべきであると言える。