中国本土A株市場の上場廃止制度設置
ここ数カ月、中国本土の株式市場改革がニュースを賑わしているが、数日前に中国証券監督管理委員会は取引手数料の大幅な引き下げを発表した。
市場九歳処置の一つと見られるが、6月1日より新たな手数料のもと実施され、上海とシンセン証券取引所ではそれぞれ取引額の0.11%と0.122%となっていたのを均一に取引額の0.087%に変更となる。手数料の引き下げは投資コストを抑え株式市場の取引量を一定の刺激することになるが、株式投資家にとっては短期の好材料でしかなく、A株が今後いつ再度上昇トレンドとなるが基本中の基本である。
中国本土は2008年にも手数料を引き下げた経緯があるが、この何年の株式市場の衰退には何の助けにもなっておらず、取引費用と株式市況は直接因果関係がないことが見て取れる。
投資家心理とその行動では、最も関心があるのはリターンであり、もし、ある投資がリターンを高く望めるならば、少々の手数料は気にもならない。ロンドンは世界でコストが最も高い取引所で香港は次点ではあるが、両所の株式市況は中国本土のA株ほど悪くはなく、つまり、取引コストの高低は株式市場の勢いを決定する要素ではないと言えるのである。
現在、市場の質を上げるために、上場廃止制度を検討中であるのだが、シンセン取引所では七つの廃止指標を設けた。 内容は純資産がマイナス、売上総額が1千万人民元を下回る、出来高が低すぎる、取引価格が連続して額面より低いなどである。その昔、深センにおいて創業板(中国版ナスダック)を設立した際に、公開企業が玉石混交の割に白熱し、一種の賭博場のような様相を見せていた時代があり、失財したのは一つや二つではなかった。
廃止制度が投資家の利益にとっては、株式の質があがることにより大きな保障となる。しかし、上場廃止制度を検討している間や実施当初は質の悪い株は投げ売りされ、市場に混乱をもたらします。事実、香港は中国本土を参考にして公開企業の質向上のため、上場廃止制度の設立如何を検討すべきである。