ボラティリティの向こうに見えるチャンスとは?
世界的な貿易不安が再燃し、リスク資産は波打つような展開に。米ドルは主要通貨に対して下落し、米国債市場ではコアCPIの堅調な結果を受けて「ベア・スティープ化」が進行。これにより金利上昇への警戒が高まり、IG債・HY債のスプレッドもさらに拡大しました。株式市場では米国株が不安定ながらも反発を見せた一方、小型株指数ラッセル2000は軟調。欧州株は全面安、日本株は週初の売りから徐々に落ち着きを取り戻しました。
一方、新興国市場(EM株)は先進国の後塵を拝し、アジア全体では弱含みの展開。連休明けのハンセン指数が下落を主導し、ラテンアメリカではブラジル・メキシコ株が比較的穏やかに推移。コモディティでは原油が下落したものの、銅と金が上昇し、コモディティ市場の底堅さが光りました。
注目はトランプ元大統領による「関税一時停止」と、その後の関税免除の可能性に揺れるヘッドライン。米税関当局はスマートフォンやPCなどを関税対象から除外すると発表しましたが、トランプ氏は「今後、免除撤回の可能性もある」と一言。こうした“揺さぶり”が市場のボラティリティを高めているのです。
とはいえ、ボラティリティが高い不安定な市場には“逆張り”の妙味も潜んでいます。世界の成長鈍化・インフレ・企業収益など課題は山積ですが、それでも選択と集中、質へのこだわりを持つ投資家には、今こそチャンス到来と言えるかもしれません。
「不透明だからこそ、先を読む者にこそリターンは大きい」──守りながら攻める視点が試される局面です。