中国AIの勢いがハイテクラリーを牽引、ハンセン急騰
中国の人工知能(AI)の勢いが、オフショア市場のハイテク・ラリーを引き続き牽引している。複数のメディア報道によると、ディープシークの創業者や中国の電子商取引のパイオニアらが、今週中にも国家トップと会談する見通しだ。この報道を受け、ハンセンテック指数は先週金曜日に5.6%急騰し、2022年以来の高値を更新した。マクロ経済面では、1月の信用データが市場予想を上回り、社会総資金(TSF)の前月比増加率が過去最高を記録した。最近の動向は心強いものの、今後の全国人民代表大会(全人代)での政策の明確化を見極める必要がある。一方で、よりコスト効率の高いAIモデルの登場が、AIの導入と商業化を加速させる重要な起爆剤となる可能性があり、現在のハイテク主導のラリーは今後も継続する公算が大きい。
日本の株式市場では、日経平均が円安を追い風に堅調に推移。他のアジア市場はまちまちの展開となったが、AI・ハイテクセクターへの楽観的な見方が追い風となり、ハンセン指数が上昇し、韓国のコスピがそれに続いた。一方、インドのSENSEX指数は下落した。コモディティ市場では、金と銅が上昇し、原油は緩やかに上昇しながらも、不安定な週となった。
米国では、先週発表された1月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の上方修正を受け、市場は成長見通しと金利動向のさらなる明確化を求めている。特に、水曜日に公表予定の1月FOMC議事録に注目が集まる。また、トランプ政権時の政策変更が経済に与える影響も焦点となっている。米1月の小売売上高は前月比-0.9%と予想を下回ったが、これは主にベース効果と悪天候による影響とみられる。市場予測によれば、FRBの次回利下げは9月25日に実施される可能性が高い。堅調な成長とやや高めのインフレ率を背景に、FOMC議事録では慎重なスタンスが強調されると予想され、FRBは2025年6月の利下げまで現状維持の姿勢を貫くとの見方が強まっている。