米中の金融緊張と政策転換:市場の揺れ動くダイナミズム
米国のダウは1.8%の下落となり、7日続落した一方で、ハイテク株比率の高いナスダックは4週連続で上昇。この動きは市場に対する確固たる信頼感を反映しています。特に、AIやクラウド関連の成長企業が投資家の注目を集め、引き続き市場を牽引している状況です。
FRBが12月のFOMCで利下げを決定した背景には、インフレ鈍化の兆候がありました。具体的には、ヘッドラインCPI(消費者物価指数)が前年比2.7%上昇、コアCPIが同3.3%上昇と、いずれも予想範囲内に収まりました。さらに、総合PPI(生産者物価指数)が前年比3%上昇し、エコノミストの予測を上回ったのも注目すべきポイントです。こうしたデータは、経済全体が落ち着きを取り戻しつつあることを示しています。
週明けの香港株は、中国の重要政策会議に期待を寄せた投資家心理により上昇。ハンセン指数(HSI)の週足は0.53%上昇し、積極的な財政政策が発表されるとの思惑が高まりました。特に中国市場は、2025年までに大規模な景気刺激策が実施されるとの見通しが強まり、投資対象としてますます魅力を増しています。「内需改善」や「緩和的な金融政策」は、中国経済の再加速を後押しするだけでなく、グローバルな株式市場にも波及効果をもたらす可能性があります。
また、中国市場の強さは、政策による明確な後押しがある点でも魅力的です。来週予定される中央経済工作会議(CEWC)では、具体的な支援策がさらに明確化される見通しです。こうした政策の安定性は、投資家に安心感を提供するとともに、市場全体に長期的な成長の見込みを与えています。
特に、広範囲に及ぶ財政刺激策と緩和的な金融政策の下では、住宅市場の安定化が期待されます。これは消費者や企業の信頼を高め、結果的に投資機会の拡大につながるでしょう。このような好条件が揃うタイミングは滅多にないと言えます。
コモディティ市場も好調を維持。OPEC+が減産を2025年4月まで延長するとの決定を受け、原油価格は上昇基調を継続。金価格が若干の下落を見せたものの、銅価格は上昇し、産業需要の回復を裏付けています。