日銀の政策と円相場の動向:内需回復への期待とリスク
先週米国株は、第3四半期の決算を消化する中で幅広く上昇しました。一方、ユーロ圏のユーロ・ストックス指数は小幅下落し、日本の日経平均は円相場が対ドルで反発した影響で軟調に推移しました。植田日銀総裁は緩やかな利上げへの姿勢を改めて示しました。
新興市場では株価の動きがまちまちでした。上海総合指数とハンセン指数は下落したものの、韓国コスピ指数はハイテク株の主導で上昇。一方、インドのSENSEX指数は続落しました。中南米ではブラジルのボベスパ指数とメキシコのIPC指数が共に守勢に回りました。商品市場では、銅価格はほとんど動きがありませんでした。
日本の物価動向では、基調的な物価上昇が堅調さを維持。10月の消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品とエネルギー除く)は前年同月比2.3%上昇となり、堅調な賃金上昇が物価を押し上げました。一方、ヘッドラインCPIは電力補助金の影響で2.3%に鈍化しました。
また、政府は先週、2,190億円規模の景気刺激策を閣議決定。これにより、インフレ抑制と経済成長の回復を目指し、所得から支出への好循環を促進する方針です。日銀は来年1月に政策金利を0.50%へ引き上げる見通しを堅持しているものの、円の急変動がリスク要因とされています。企業の収益面では、内需主導の業績拡大が引き続き注目されるでしょう。