日銀会合を前に市場が注目するポイントとは
今週木曜日(10月31日)に予定されている日銀の10月会合では、引き続き様子見姿勢を取り、政策を据え置くと予想されています。市場の関心は、追加利上げのタイミングを見極めるために、日銀が現在の経済情勢をどのように評価するかに集まっています。日銀は、持続可能なインフレ達成の進展に応じて、緩和的なスタンスからさらに政策を正常化する方針を維持する見込みです。
我々の基本見解では、日銀は2025年第1四半期に次の利上げを行い、その後、第3四半期にはさらに25bpの追加利上げを実施する可能性が高いと見ています。
一方、円相場は対ドルで約153円まで下落し、約3ヵ月ぶりの安値水準に達しました。先週末に実施された国会議員選挙では、与党・自民党が率いる連立政権が2009年以来初めて過半数を失ったにもかかわらず、日本株は本日の序盤取引で意外にも上昇しました。今後、政治的な不透明感は強まると予想されますが、緩和的な金融政策、選挙後の円安による輸出企業の恩恵、リフレ基調の維持、そして堅調な企業業績の見通しを踏まえ、日本株には依然として建設的な見方を維持しています。
米国株市場では、第3四半期の決算が概ね好調だったにもかかわらず、大型株のS&P500と小型株のラッセル2000は先週初めに下落しました。欧州市場では、汎欧州のストックス・ヨーロッパ600が下落し、日本の株式市場も10月27日の総選挙を控えた政治的不透明感から下落しました。
新興市場では、中国の上海総合指数が珍しくプラスで終わりましたが、インドのSENSEX指数と韓国のKOSPI指数はともに下落しました。コモディティ市場では、原油価格はおおむね安定し、金は史上最高値にわずかに届かない水準にとどまりました。