米国市場堅調、中国の景気刺激策が示す未来
9月の米小売売上高が堅調な伸びを示したことで、先週末の米国債利回りは上昇しました。株式市場では、小型株のラッセル2000が最も堅調に上昇し、大型株のS&P500は第3四半期の好決算を受けて最高値を更新しました。
欧州では、ECBが金利を0.25%引き下げ、インフレがさらに抑制されているとしながらも、域内経済の見通しは悪化していると警告しました。これにより、欧州経済への慎重な姿勢が強まりつつあります。
アジアでは、各国からマクロ経済データの発表が相次ぎ、政策期待が高まる中で注目を集めましたが、中国株は最近の上昇に続き、2週連続で反落しました。インドのSENSEXも下落しましたが、タイとインドネシアの株式市場はプラスで終わり、ASEAN市場の一部が堅調な動きを見せました。
中南米では、ブラジルのIbovespa指数とメキシコのIPC指数がともに上昇しました。一方、エネルギー市場では、中東の緊張緩和に対する懸念から原油価格が下落し、金は再び最高値を更新しました。
中国では、最近新たな景気刺激策が発表されましたが、政策立案者は住宅市場や地方政府、消費者信頼感の問題に対処するための具体的な支援規模については詳細を明らかにしていません。しかし、記者会見では新たなコミットメントが示され、政策の方向性が根本的に変化していることが確認されました。
中国の景気刺激策の正確なタイミングを予測することは難しいものの、「3本の矢」と呼ばれる流動性供給、財政・信用支援、構造的措置が、デフレのリスクから脱却する道筋を示しています。今後数週間以内に全国人民代表大会(NPC)の常務委員会などの政策会議が予定されているため、さらなる政策発表が期待されます。
現在、中国株に対して多くのアジアの投資家は慎重な姿勢を保っていますが、株価は依然として11.5倍の低いバリュエーションであり、EM株(14倍)や世界株(21倍)に比べて割安です。今後、良いニュースが株価に反映されれば、その効果は「二重の好材料」として市場にプラスの影響をもたらす可能性があります。
また、別の見方として、中国の景気刺激策が世界株のローテーション・トレードを引き起こす可能性もあります。中国市場での回復が、インド、韓国、日本などアジア諸国の市場に資金の流れを変化させ、これらの市場にも影響を及ぼすことが予想されます。