米国金利動向とテクノロジー株に注目
米国のハードランディング懸念が高まり、リスク市場に暗雲が広がっています。中核国債は上昇し、米国の金利先高観が再強化される中、米国のイールド・カーブは2022年以来初めて反転しました。カナダ中銀は3会合連続で0.25%の利下げを実施し、今週の欧州中央銀行理事会に注目が集まっています。
その他の市場では、米国のDXYドル指数が下落基調を再開し、米国のテクノロジー株は引き続き軟調で、慎重なセンチメントが欧州や日本の株式市場にも波及しています。しかし、このような局面でも、チャンスは存在しています。新興国株式市場では、韓国のハイテク株優位のコスピ指数が大きく弱含んだものの、慎重かつ積極的な資産運用によって、将来的なリターンを見込むことが可能です。中国本土の上海総合指数はマクロ懸念が続く中で下落しましたが、タイのSE指数は上昇しています。適切な分散投資を行うことで、リスクを抑えつつ、収益を期待できる可能性があります。
コモディティ市場でも、需要懸念が原油価格を2024年の最安値まで押し下げ、銅も軟調に推移しましたが、金は直近の上昇後、横ばいとなっています。このタイミングでの資源株やコモディティへの投資は、長期的に見れば魅力的なエントリーポイントとなるかもしれません。
香港のハンセン指数(HSI)は8月に堅調なパフォーマンスを示し、約4%上昇しました。決算シーズンが続く中で、同指数のテクノロジー株(香港上場の中国本土企業を含む)はほぼコンセンサスを上回り、安定した成長を見せています。テクノロジー・サービスに対する底堅い需要、収益を押し上げる海外展開、そして国家的な成長優先課題であるテクノロジー・セクターに対する中国本土の最近の政策支援から恩恵を受けているのです。中国本土のハイテク株を除いても、香港の国内企業も8月は好調であり、MSCI香港指数は5.3%上昇しています。米国の利下げが間近に迫っていることや、公益事業や消費財など非シクリカルセクターの見通しが改善していることが好感され、これらの企業の業績見通しも上向いています。こうしたタイミングでの投資は、今後の利益を大きく左右する重要なポイントとなり得ます。しかし、2022年半ば以降の国内株式の収益下降トレンドはまだ反転しておらず、マクロ的な課題が依然として金融や不動産などのセクターに影響を与えています。こうした課題にも目を向けつつ、適切なタイミングを見極めて投資を行うことが肝要です。