FRBと日銀の動向が示す投資チャンス
世界の株式市場は、夏の暴落から急速に反発し、直近の高値にほぼ戻りつつあります。このような急速な市場の回復は、短期的なボラティリティを巧みに利用できる投資家にとって、大きな利益機会を提供しています。テクノロジー株から小型株へのローテーションとして始まった相場は、やがて米国の景気後退と、世界的なキャリートレード(日本円主導)の巻き戻しへの懸念に変化しました。しかし、その後に発表された米国の経済指標は、景気が緩やかであるものの失速していないことを示し、安心感をもたらしました。ハイテク企業も楽観的な見方を強め、今後の成長を支える動きが見られます。市場も日銀の引き締めが時間を要するとの認識を持つようになっており、このような環境下では、資産配分を再考し、市場の動向に敏感に対応することが重要です。ファンダメンタルズは懸念されているほど大きく変化しておらず、多くの投資家が再び市場に戻りつつあるのも納得です。
FRBは、最近のハト派的な発言を受け、間もなく世界的な利下げサイクルに加わる準備が整っているようです。このタイミングでの市場参入は、利下げによる資産価格の上昇を享受する絶好の機会といえるでしょう。ジャクソンホール経済シンポジウムでは、パウエルFRB議長が「政策調整の時期が来た」「方向性は明確だ」と明言し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き下げへの期待がさらに高まりました。このような発言は、金利の低下が経済全体にどのような影響を与えるかを考慮しつつ、戦略的な投資判断を下す重要な指針となります。経済見通しに関しても、パウエル議長はディスインフレの進展に自信を深めていることを強調し、FRBは労働市場のさらなる軟化には目を向けないと述べました。これは、今後も企業の利益が堅調に推移することを示唆しており、特にハイテク企業に投資する好機です。
日本の7月のコアコア・インフレ率(生鮮食品とエネルギーを除く)は前年同月比1.9%に鈍化し、2022年9月以来初めて2%を下回りました。一方、日銀の植田総裁は今後の利上げについて比較的タカ派的な姿勢を示しつつも、現在の政策設定は依然として緩和的なままであると繰り返し述べています。日本国内においても、このような金融環境下で、資産の価値をいかに高めるかが投資家にとっての大きな課題です。
弊社では、日銀が慎重な姿勢を維持し、リフレのモメンタムへの影響を最小限に抑えるため、次回の利上げは2025年第1四半期に限られると見ています。この見通しを踏まえ、今が海外市場への投資に適した時期であると考えられます。適切なポートフォリオの組み換えや新たな市場への参入を検討することで、富裕層の皆様にとって更なる資産拡大のチャンスを掴むことができるでしょう。