FRBの9月利下げと第3回会議
先週は、米国のインフレ率が予想を下回るサプライズがあり、リスク資産を支えました。パウエルFRB議長が半期に一度の証言でハト派的な発言をしたことで、9月に0.25%の利下げが実施されるとの市場予想が強まりました。その結果、米国のコア国債は上昇し、DXY指数は弱含みました。
米国株市場では、金利に敏感なラッセル2000がS&P500やナスダックを上回る動きを見せました。これにより、中小企業の成長が期待される場面も見られました。欧州では、ユーロ・ストックス50種株価指数がフランスの政局不透明感の中、不安定な取引となりました。
日本の株式市場に目を向けると、日経平均株価は日本の当局者が円安を安定させるための措置を講じたことで史上最高値を更新しました。日本市場のこの堅調な動きは、投資家にとって大きなチャンスと言えるでしょう。
新興市場では、中国の上海総合指数が第3回総会を前に反発しました。これにより、中国経済の強さと安定感が再確認されました。インドのSENSEXはハイテク株の上昇に牽引され、小幅ながらも上昇しました。この成長は、インドのハイテク産業の未来に対する期待感を高める要因となりました。
中南米では、ブラジルのボベスパ指数が上昇しました。これは、ブラジル経済が再び成長軌道に乗りつつあることを示しています。コモディティ市場では、IEAが2024年の世界石油需要予測を据え置いたため、原油価格は下落しましたが、金と銅は堅調に推移しました。
中国では待望の第3回会議が開幕するため、我々は長期的な政策の方向性に注目しています。全人代では「新たな生産力」の強化、社会的セーフティネットの拡大、財政改革など、より質の高い成長モデルへの移行に向けた中国の構造改革が議論されると予想されます。このような改革は、中国経済の持続可能な成長にとって重要なステップとなるでしょう。長期的には、これらの改革が中国市場への投資機会を広げることが期待されます。