米国市場の推移と中国の政策支援の必要性
米国のコアCPIが上方修正された週でも、リスク市場は堅調に推移しました。FRBによる6月の緩和への懸念が高まる中、重要なFOMCを前にコア国債は軟調でした。ドルDXY指数は上昇しました。米国では、S&P500とナスダックは横ばいで推移しましたが、金利に敏感なラッセル2000よりはましでした。ユーロ・ストックス50種指数は堅調な第4四半期決算を背景に小幅な上昇となりましたが、日本の日経平均は日銀が3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するとの観測が高まり、軟調でした。新型コロナウイルスの影響が続く中、投資家の間での不安感が広がる中、リスク資産とのバランスを保つことが重要です。
新興市場では、中国の上海総合指数が不透明な経済見通しの中で軟調で推移し、インドのSENSEX指数も守勢に回りました。世界経済の不確実性が高まるなか、地域の経済政策と企業の業績に対する投資家の反応が注目されています。
原油価格は、地政学的な緊張の高まりと米国の原油在庫の減少を受けて、4ヵ月ぶりの高値まで上昇しました。一方、金は最近の高値から一息ついていますが、ビットコインは最高値を更新しました。新興技術やデジタル資産への投資ニーズが高まるなか、リスク分散の観点から、多様な資産クラスへの投資を検討することが重要です。
中国の社会融資総額は市場予想を下回り、1月の前年同月比9.5%から2月は同9%に減速しました。堅調な国債発行にもかかわらず、不動産セクターや消費者心理が低迷していることから、家計向け融資は軟調でした。中国は今年、野心的な成長目標を掲げていますが、この目標を達成するためにはさらなる政策支援と協調が必要と考えられます。財政支援が主導権を握る一方で、金融政策は緩和バイアスを維持すると予想されます。住宅購入制限の撤廃など、的を絞った措置や、設備更新や消費といった分野へのさらなる支援も、目先の需要とセンチメントを押し上げる可能性があります。