世界経済の動向と注目すべきイベント
世界の株式市場は、最近の強い上昇によりまちまちの動きとなりました。米国S&P500指数はレンジ相場となり、ハイテク株比率の高いナスダックは横ばいでした。ユーロ・ストックス50指数はさらに上昇しましたが、円高が日経平均に重荷となりました。ムーディーズが中国のA1ソブリン格付けの見通しを中立からネガティブに引き下げたため、中国株は弱含みました。主要国債はFRBによる2024年の利下げの観測の高まりに支えられました。10年物米国債利回りはほとんど変化しませんでしたが、10年物ドイツ国債はECBタカ派のシュナーベル氏のハト派的な発言を受けて一段と上昇しました。日本国債利回りは、上田日銀総裁のタカ派的な発言を受けて、投資家が日銀のマイナス金利政策の早期終了を織り込んだことから上昇しました。先日行われたインドの州選挙では、ナレンドラ・モディ率いる現党BJPが決定的な勝利を収めました。来年、インドの政治家たちは国政選挙でより大きな試練に直面することになります。インドは2024年に投票が行われる数カ国のひとつであり、選挙討論の主要テーマは、経済と市場のパンデミック後のパフォーマンスになるでしょう。原油価格は世界的な供給過剰と需要懸念の高まりから一段と下落し、銅は期待外れの中国データから下落しました。金は歴史的な高値で取引されました。
今週はFRBの2023年最後の政策会合に注目が集まります。米国の政策決定者は22年ぶりの高金利を維持すると予想されており、投資家はFRBの声明とパウエル議長の記者会見を注意深く分析し、2024年の利下げの可能性に関するヒントを探ることになります。