不動産市場は転換点
最近、一戸建てや中古住宅の売り手が価格交渉を行うなどの報道が頻繁に聞かれます。一部のアナリストによれば、不動産市場は転換点に差し掛かっており、調整が明らかになるのは時間の問題だとの見解もあります。筆者も不動産市場が重要な時期に差し掛かっていると考え、現在はいくつかの要因が不足しているだけで、条件が整えば調整期に突入する運命を免れることは難しいでしょう。将来の不動産市場のパフォーマンスには2つの主要な要因が影響します。第一に、米国の利上げの方向性です。第二に、地元の雇用状況です。超低金利の環境では、不動産価格は過去数年間で急騰しましたが、利率の動向が変わると、市場の状況も変わり、近年の売り手主導の市況も逆転する可能性があります。
利上げに比べて、雇用状況が不動産市場に与える影響はさらに重要です。1980年代には住宅ローン金利が20%を超えたこともありましたが、当時の香港は急速に成長しており、賃金も急上昇していたため、高金利の状況下でも不動産市場にはそれほどの圧力はありませんでした。しかし、現在は住宅ローン金利は低いままであり、かつての香港と比較して賃金の増加率は遥かに低いです。雇用市場が悪化すれば、わずかな金利上昇でも不動産市場に深刻な調整が生じる可能性があります。
世界経済の成長率が低下している中、香港の外向き経済は避けられない影響を受けています。中国本土からの観光客の減少や、強い香港ドルにより、小売業は現在「冷え込み期」に直面しています。小売業だけでなく、貿易、金融、不動産代理業などの産業も今後悪化する可能性があります。通常、企業はまず自然な人員削減策を採用し、経営状況が改善しない場合、解雇に踏み切ります。一般的に、企業は通常、ピークシーズンの後に解雇を行います。言い換えれば、経済が改善しない限り、多くの企業が来年の第1四半期に解雇に踏み切る可能性が高いです。多くの人々が雇用の将来に対する信頼を失ったとき、市場の住宅需要は減少し、不動産市場は通常、調整期に入ります。