米国FOMC議事録とFRB高官の講演が注目
先週末、Dowは130ポイント高で取引を終えたが、S&P500とナスダック100はそれぞれ0.3%と0.6%近く下落した。債券利回りの上昇とインフレ報告の中で、投資家はFRBの利上げ幅拡大を懸念している。年債と2年債の利回りは11月の水準まで上昇し、センチメントの重石となった。
今週注目の経済指標を受けてFRBが今月上旬に実施した利上げをさらに長期化するとの観測が高まったため、米国ではFOMC議事録とFRB高官の講演が注目されることになる。先月のCPIとPPIが予想を上回る高い数値であったことから、FRBが好むインフレ指標は1月に上方修正される可能性が高い。投資家は個人消費と所得に関するデータにも注意を払うことになる。それとは別に、来週は第4四半期GDPの2次予測が発表され、アナリストは速報値の2.8%から2.9%に上方修正すると予想している。ミシガン大学消費者心理の最終値と2月のS&PグローバルPMIも注目されWalmartとNvidiaの四半期決算を注視する必要があるだろう。
中国では、主要融資のプライムレートが発表される。特に、先月の新規銀行融資が予想を上回る4兆9000億元となり、中央銀行が前週に中期貸出金利を据え置いたことから、市場は1年物LPRが3.65%、5年物が4.3%にとどまると予想している。
欧州では、ユーロ圏とドイツ、フランスのS&P PMI速報値が、製造業の上昇とサービス業の落ち込みの鈍化により、2月も民間部門が成長することを示すと思われる。一方、ドイツのZEW経済指標、GFK消費者信頼感指数、Ifo景気指標はいずれも5カ月ぶりに改善する見通しだ。その他の注目すべきデータは、ユーロ圏の1月最終インフレ率および消費者調査、金融政策面では、トルコで金利の決定が行われる。英国では、2月のGfK消費者信頼感指数が、来年への期待がさらに高まったとして、わずかに上昇すると予想されているい。
日本では、2月のPMI速報値が注目され、月内の経済状況を初めて評価することになる。インフレ率も発表され、コアレートは12月の4%から1981年以来の高水準となる4.2%に上昇すると予想されている。