米国2021年10月以来の低いインフレ率の影響
先週の米国はFRB会合を前に、投資家が一連の経済データを重く見たためDowは金曜日に小幅上昇して終わり、S&P500とナスダック100はそれぞれ0.2%と0.9%の上昇となった。FRBのインフレ指標である米コアPCEインフレ率は12月に4.4%上昇し、2021年10月以降で最も低い年間上昇率を記録し、FRBの引き上げ幅縮小への道が開かれた。
来週はFRBの利上げ決定と非農業部門雇用者数が発表される。インフレは収まりFRBは水曜日に25bpsの小幅な利上げを実施し、金融引き締めのペースを緩めるのではないかという期待が膨らんでいる。FRBはともかく、1月の米非農業部門雇用者数は17万5000人増となり、失業率は3.6%に上昇する見込みで、極めて重要な指標となる。平均時給は前期と同じペースで上昇し、前月比0.3%増と予想されている。さらに、投資家はISM製造業および非製造業PMIに細心の注意を払うだろう。ISM製造業PMIは1月に工場活動が縮小したものの、サービス部門が増加に転じたことを確認する可能性が高い。その他の第一級の経済指標は、JOLTsの求人倍率、ADPの民間雇用者数、S&PのグローバルPMIである。また、決算期にはアAMDやMeta Platforms、Alphabet、Amazon、Apple、Qualcommなどが有力な企業がむかえる。
中国政府が今月初めにゼロ金利政策から脱却して以来、世界第2位の経済規模を示す最初の指標として、中国のPMIデータに注目が集まっている。一方、日本では、1月の消費者信頼感指数のほか、12月の住宅着工件数と鉱工業生産、消費者物価指数などが発表され、忙しい1週間となりそうだ。
欧州では、欧州中央銀行とイングランド銀行がインフレに対する積極的なキャンペーンを進め、木曜日に50bpsの金利引き上げを行うと予想される。マクロ的には、ユーロ圏、ドイツ、イタリア、フランス、スペインの成長率、インフレ率、失業率に関する主要なレポートが発表される予定である。ユーロ圏の第4四半期は、ドイツとフランスと並んで、暖かい気候がエネルギー危機を緩和したため、マイナス成長を免れたと思われるが、イタリアのGDPはおそらく収縮に転じた。コスト圧力に関しては、ユーロ圏全体のインフレ率は1月も引き続き鈍化すると予想されている。しかし、ドイツでは、9.2%という速いスピードで物価が上昇すると予想されている。