FRBの利上げと消費者物価指数の発表
今週は、米国ではFRBの利上げ決定と消費者物価指数の発表が中心となり、忙しい1週間となりそうだ。11月の年間インフレ率が7.3%に減速し、月間消費者物価指数も0.3%の上昇にとどまると予想されている。一方、コアCPIは前年比6.1%増と、過去4ヵ月で最も低い伸びとなったようだ。一方、FRBの政策担当者は来週、4回連続の75bpsの利上げに続き、50bpsの利上げに踏み切るというが、インフレの緩和が続けば、1月には25bpsの利上げしか検討されない可能性がある。米中央銀行はまた、インフレと経済、金利の将来の経路に関する四半期ごとの見通しを発表する予定だ。予想では前月比0.1%減とされており、金融引き締めが消費者需要を圧迫していることが示唆されている。
中国の11月の鉱工業生産と小売売上高に注目が集まり、厳格なコロナ規制が経済にどのような影響を及ぼしたか、さらなる洞察が得られるであろう。その他、失業率と住宅価格、固定投資なども発表される。インドでは、貿易収支と鉱工業生産の伸び、および11月の小売インフレ率(鈍化するものの、11ヶ月連続でRBIの上限目標である6%を上回る見込み)が待たれている。
欧州では、ECBの金利決定が注目され、市場では2回連続の75bpsの利上げに続き、50bpsの小幅な利上げが予想されている。また、投資家は新しいマクロ経済予測にも注目することになる。スイス国立銀行、ノルウェー銀行、ロシア連邦中央銀行も金融政策に関する最新情報を提供する予定だ。一方、ユーロ圏、ドイツ、フランスのPMI速報値は、今月の民間部門の活動に関する最新情報を提供し、予測ではサービス業と製造業の両方が再び縮小するとされている。政治面では、火曜日の閣僚会議を前に、投資家はEUのガス価格協定に関する動向に注視している。現在議論されている案は、メガワットアワーあたり220ユーロの上限である。
英国では、BOEが木曜日に基準銀行金利の50bpsの利上げを発表すると予想されている。前回の会合で75bpsという、過去33年間で最大の借入コストの引き上げという大幅な利上げを行った後である。インフレ率も注目され、年率は1981年の最高値11.1%から10.9%に低下すると予想される。