FTX破綻、仮想通貨市場の状況にも注目
米国では小売売上高と生産者物価、住宅データなどが最も重要な経済指標として発表される予定だ。大手小売企業の業績報告や、大手取引所であるFTXが破産を申請した後の仮想通貨市場の状況にも注目することになる。
米国のインフレ率が予想を下回ったことで、FRBが利上げペースを緩めるとの観測が再燃し、投資家はインフレ圧力の鈍化を示すさらなる兆候を探っていくことになりそうだ。PPIは前月比0.5%上昇し、年間インフレ率は8.5%から8.3%に鈍化すると予想され、小売売上高は前月比0.9%増と、物価上昇にもかかわらず消費者の支出が続いていることを示唆している。一方、米国の建築許可件数と住宅着工件数、中古住宅販売件数は、金利上昇が経済活動に与える影響についてさらなる手がかりを与えるだろう。さらに、Home DepotやWalmart、Targetなどの大手小売業者を中心とした多数の決算が、投資家が世界最大の経済の健全性を判断する上で役立つだろう。
日本の第3四半期GDP速報値に続き、10月のインフレ率および貿易収支が発表される。第3四半期の日本経済は0.3%の成長が見込まれ、3四半期連続の拡大が続く。一方、中国では10月の鉱工業生産、小売売上高、住宅価格上昇率、固定投資額が発表される予定である。オーストラリアでは、RBAが予想を下回る25bpsの利上げを実施した後、11月の会合議事録から金融政策の方向性についてより多くの知見が得られるだろう。
欧州では、投資家はドイツのZew景気指数と、オランダ、ポーランド、ロシアなど数カ国の第3四半期GDP速報値に注目。英国では、木曜日に予定されているハント新首相の秋季予算案が注目される。この予算案では、英国財政に空いた500億ポンドの穴を埋めるため、大幅な歳出削減と増税が指示されると思われる。10月の英国消費者物価指数では、エネルギー価格が上昇し、補助金で上昇を抑えられたにもかかわらず、年間インフレ率が9月の10.1%から40年ぶりの高さに加速すると予想る。