逆風のマクロ環境のなか引き続き決算報告
米国では引き続き決算報告とFRB当局者による講演のコメント、住宅関連データに注目が集まり英国では減税に向けた政府の方針転換を受け、投資家は金融市場を注視することになる。中国では第20回中国共産党全国代表大会が開催され、第3四半期のGDP成長率、鉱工業生産、小売売上高が発表される。
逆風のマクロ環境が強まる米国では、どのように対処してきたかを知ることができる決算報告に注目が集まり、今週はバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ネットフリックス、IBM、テスラ、アメリカン・エキスプレスなどの企業が決算を発表する。投資家は、11月の利上げ規模を示唆する複数のFRB当局者の発言にも注目する。データ面では、住宅着工件数、建築許可件数、中古住宅販売件数などの住宅関連指標がカレンダーを賑わす。また、ニューヨークとフィラデルフィア連銀製造業景況指数と鉱工業生産も発表される予定だ。
アジアでは中国が注目され、10月16日に習近平国家主席が3度目の総書記に留まると予想される中国共産党第20回全国代表大会が始まる。統計発表のうち、第3四半期の成長率データは、厳しい戸締りや電力配給の期間にもかかわらず、中国経済の前年同期比の急激な拡大を示すとみられている。投資家は貿易統計、鉱工業生産、小売売上高、中国人民銀行による金融政策決定に期待する。
英国ではトラス首相がクワシー・クワルテング氏を解任し、ジェレミー・ハント氏を新首相に任命して大幅減税に踏み切った後もギルト売りが再燃したため、投資家は引き続き金融市場とBOEの追加介入の可能性を注視していくことになる。マクロ経済面では、英国の経済カレンダーにインフレ率、小売業、消費者モラル、公的部門の純借入に関する重要な最新情報が盛り込まれている。英国の年間インフレ率は、8月に9.9%とやや緩和された後、9月に再び2桁に達すると予想される。
欧州では、ユーロ圏の速報値で消費者心理が過去最低水準に悪化し、インフレ率が10%に達したことが確認されると予想される。また、ドイツのZEW指標は4ヶ月連続で低下し、史上最低の-66を記録すると予想されている。