2020年3月以来の最悪の9月となった株価
米国株は金曜日の不安定な取引で下落し、ダウは500ポイント以上下がり、S&P500とナスダックはそれぞれ1.5%下落した。9月のダウは8.8%、S&P500は9.3%、ナスダックは10.5%の下落であった。
世界的な景気後退のリスクが高まる中、今後1週間は世界の主要国のPMI調査データが注視され、金曜の米非農業部門雇用者数はFRBの政策スタンスを占う上で重要な指針となる。政策決定の観点からはオーストラリアRBAの会合がメインとなるが、ギルト債や為替市場の変動、英国の政治情勢を背景に、イングランド銀行による介入の可能性を市場は注意深く見守ることになる。
製造業PMIの発表が目白押しだ。市場は、最近のサプライチェーンの圧力緩和と需要環境の悪化を受け、世界の工場価格圧力が緩和される可能性を評価することになる。しかし、需要の軟化、中国本土で進行中のCOVID-19抑制策、ロシアに関する不確実性、欧州のエネルギー供給問題など、景気の先行きには依然として大きな懸念が残っている。特に、米国はPMIとISMの調査で始まり、雇用統計で終わるため、経済成長経路とインフレ傾向について多くの新しい洞察を得ることができるだろう。PMIの速報値では、2009年以降で最悪の四半期となった9月(最初のパンデミックによる閉鎖を除く)は、サービス部門の落ち込みが明らかになったものの、インフレ圧力の緩和と消費者心理の底打ちが一因となり、低調に推移した。一方、ISM非製造業調査は好調を維持しており、9月は低下する可能性が高い。
中国本土のPMIデータは、COVID-19の抑制措置の継続により内需が低迷する一方で、世界貿易の成長が減速しているという懸念がある。APAC諸国の他のPMIデータは様々な傾向を示しており、インドとベトナムは世界的な景気減速に反していることが注目されだろう。日本では、COVID規制の緩和によりサービス産業の成長が促進される一方、工場出荷時のPMIと短観は、円安による輸出品への影響を調べることになるであろう。
ユーロ圏や英国、その他低迷する東欧諸国の製造業およびサービス業の最終PMIが更新されるほか、地域全体の景気後退リスクの中で経済動向に関するさらなる洞察を提供するためにPMIの詳細な部門別指数も発表される予定でだ。