今週米国インフレ率は如何に
米国の8月インフレ率は、最も注目されるイベントである。年間インフレ率は8.5%から8.1%に減速すると見られ、月間消費者物価指数は2020年5月以来の低下となる0.1%の低下の可能性もあるだろう。それでも、コアインフレ率は前月比0.3%上昇し、年率を5.9%から6.0%に押し上げる可能性が高い。また、空前のインフレを背景にしたアメリカの消費者の行動を知る手がかりとして、アメリカの小売売上高のデータにも注目が集まるだろう。
世界第2位の経済大国である中国が、電力不足による電力供給不足と金融機関の閉鎖でどのような影響を受けたのか、8月の鉱工業生産、小売売上、失業率、投資成長率などのデータを注視していくことになる。日本では、円安とエネルギーコストの高騰により、日本の貿易赤字が過去最高水準に近づくと予想される。インドではインフレ率が3ヶ月ぶりに上昇している。
英国では、失業率や賃金上昇率、インフレ率、小売業、月次GDPなど、重要な経済指標の発表が目白押しだ。英国のインフレ率は8月に10.2%となり、過去40年間で最も高くなると予想されている。一方、イングランド銀行はエリザベス女王の死去に伴い、来週の利上げを延期した。
欧州では、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどのユーロ圏で8月のインフレ率の最終予測が発表され、いくつかの欧州の小国では速報値が発表される。同時に、ロシアが天然ガスの流れを止めたことで、ドイツのZew景気指数もまた打撃を受けることになりそうだ。金曜日には、ロシア中央銀行が借入コストを50bps引き下げる可能性があり、インフレが緩和し続けていることから、6回連続の利下げとなる。