エネルギー危機のなか欧州中銀50bp利上げへ
中国ではインフレ率と貿易統計が発表されるほか8月の消費者インフレ率は2.8%に達し、食品価格の高騰により1年ぶりの高水準となった前月から加速すると予想される。また、7月の貿易黒字が過去最高を記録したことから、貿易統計も注目される。
欧州では、ロシアからドイツにガスを供給する重要なパイプラインが予定通り再開されないことを受けて、欧州のエネルギー市場の状況も注意深く見守ることになる。木曜日にECBが金融政策を決定する。市場は、欧州が前例のない水準のインフレに見舞われていることから、借入コストを少なくともあと50ベーシス引き上げると予想している。8月のユーロ圏のインフレ率は予想を上回る9.1%となり、過去最高を更新した。実際、複数のECB幹部が最近、大幅な利上げを主張し、物価抑制のためには金利を長期的に上昇させる必要があると警告している。
米国では木曜日に開催されるケイトー研究所の第40回年次金融会議に出席するパウエルFRB議長を含む、複数のFRB高官の動向にも注意を払うことになるであろう。企業関連では、アップルが水曜日に年次イベントを開催し、iPhone 14を発表すると予想されている。米国では月曜日がレイバーデーのため市場が休場となる。
月曜日に開催されるOPEC+の会合にも注目が必要で、10月からのOPECの生産計画についてガイダンスを出すと予想される。主要生産国は原油生産枠を変更しない可能性が高いが、サウジアラビアは、イランが欧米との核合意で輸出を回復した場合、OPECは減産に踏み切る可能性があると述べている。
オーストラリアでは、RBAが21年ぶりの高水準にあるインフレを抑制するため、4会合連続で50bpsの利上げを実施する予定。マレーシア中銀は主要なオーバーナイト政策金利を25bps引き上げると予想されている。