金曜日に強い米雇用統計に対してインフレは如何に
金曜日に強い米雇用統計が発表された後、週明けから投資家は7月消費者物価指数 (前月比)の発表からインフレの推移を注意深く見守るだろう。一次産品価格の下落にもかかわらず、インフレが堅調に推移していることが示されれば、FRBの利上げ観測がさらに強まる可能性がある。今週は、ガソリン価格の下落を受け、物価上昇のペースが鈍化すると予想される米国のインフレレポートに注目が集まっている。ヘッドラインインフレ率は前月比0.2%上昇と見られ、これは2021年1月以来の小幅な上昇となり、年間インフレ率は9.1%から8.7%に鈍化する結果となろう。それでも、コアインフレ率は前月比0.5%上昇し、年率は5.9%から6.1%に押し上げられる可能性が高い。
中国が7月の貿易統計を発表し、輸出が引き続き大幅に増加する見込みである。また、6月のインフレ率が2年ぶりの高水準となったことから、投資家は今後のインフレ率にも注目するだろう。インドでは、統計省が7月のインフレ率を発表し、RBIの引き締めサイクルが始まってから2カ月以上が経過する。オーストラリアでは、ウェストパックの8月の消費者信頼感指数とNABの7月の景況感が注目される。その他では、タイ中央銀行が25bpsの利上げを行い、引き締めサイクルを開始する予定である。
欧州では、7月の消費者物価の最終予測で、ドイツとイタリアではインフレ率がやや低下したが、フランスとスペインでは引き続き加速したことが確認されると予想される。英国が第2四半期のGDP成長率の速報値を発表し、エネルギー価格の上昇と増税により消費が抑制されたため、前期は0.8%拡大したが、4-6月は0.2%縮小した可能性が高いだろう。