今週は米雇用統計に注目
非農業部門雇用者数(NFP: Non-Farm Payroll)が5日21時半に米雇用統計(7月)が発表される。アメリカ経済の7月の雇用創出数は25万人と、2020年12月の減少以来最も少なく、雇用が冷え込んでいる可能性を示すと予想される。失業率は3.6%で安定し、2020年2月以来の低水準を維持する一方、賃金の伸びはやや鈍化するとみられている。FRBの9月利上げの規模についてさらなるヒントを得るため、複数のFRB高官の登場にも注視することになる一方、決算シーズンは続いておりS&P500の148社が四半期決算を発表する。
中国では、7月のPMIが製造業とサービス業のロックダウン後の回復ペースを評価するために注目され、第2四半期の経常収支も発表される。
欧州では、ユーロ圏の小売業が第2四半期末に減速し、特にドイツでは鉱工業生産が減少すると予想される。一方、ユーロ圏の6月の失業率は過去最低の6.6%に据え置かれる見通しだ。インドでは、インフレ率が7%で安定しており、インド準備銀行の目標上限である6%を上回っているため、中央銀行は3年連続で借入コストを引き上げる可能性があるだろう。
英国では、イングランド銀行の金融政策委員会が借入コストの再引き上げに踏み切るが、市場では25bpsと50bpsの引き上げの間で意見が分かれている。BOEは、急速に2桁に近づくインフレを抑制するために金融引き締めをどの程度行うべきか、一方で景気後退が急激になるのを防ぐためにどの程度の金融引き締めを行うべきか、難しいバランス感覚を要する選択に直面している。