大手米銀決算で投資家が注目
来週は第3四半期決算のシーズンが始まりJPMorgan Chase、Citigroup、Wells Fargoなどの大手銀行からの決算発表が予定されている。また、前回のFOMCの議事録では、FRBのテーパリングのスケジュールに関するさらなる手がかりが得られるかどうかが注目される。
世界中の投資家は水曜日に予定されているFOMC議事録で、FRBが米国経済と労働市場にどの程度の「進展」を見ているか、またテーパリングの時期についてさらなる示唆を得ることを期待している。9月の会合で雇用とインフレの目標に向けた進展が予想通りに進むなら、資産買い入れペースの緩和がすぐに正当化され、利上げが予想より早く行われるかもしれない、とFRBは述べた。
米国では経済データの面でも比較的忙しい週となる。9月の消費者物価指数では、ヘッドラインインフレ率は7月に記録した13年ぶりの高水準と同じ5.4%に回復すると予想され、小売売上高は若干減少するとみられている。一方、10月のミシガン州消費者心理の速報値では、モラルがわずかに改善し、10年ぶりの低水準となった8月からさらに回復する可能性が高いとみられる。
アジア太平洋地域では、中国が9月のインフレデータ、対外貿易統計、金融指標を発表する予定である。その他、インドの消費者物価と卸売物価、鉱工業生産、韓国の利上げ決定と失業率が発表される。
英国の6-8月期の雇用統計が発表され、失業率は1年ぶりの低水準に低下すると予想されるが、賃金上昇率は過去最高からさらに減速するとみられる。ユーロ圏の鉱工業生産と外国貿易のデータを注視している。ユーロ圏の工業生産は8月に縮小し、7月の上昇分をすべて帳消しにする可能性が高い。一方、ドイツの10月のZEW景況感調査は5カ月連続で低下し、2020年3月のパンデミックによる落ち込み以来の低水準を維持すると予想されている。