コロナ感染が再発し半導体の材料不安
来週は、労働市場の継続的な回復を示唆する米国の雇用統計、世界の製造業とサービス業のPMI調査に注目が集まっている。
米国では投資家の関心は8月の雇用統計に向かい、労働市場の回復状況を見極めることになる。非農業部門雇用者数は66万5,000人増加すると予想されるが、2020年2月の水準にはまだ500万人ほど足りない。一方、失業率はさらに低下し、パンデミックローとなる5.2%になると予想される。一方、ISM PMI調査は、製造業とサービス業の力強い成長率を今月も示唆するはずだ。
中国では、NBSとCaixinの両社が発表する8月のPMIにトレーダーが注目する。予想では、中国の一部地域でコロナ感染が再発し、半導体のチップなどの材料が不足していることから、工場活動の伸びは緩やかなものになると見られている。
英国の経済は8月の英国民間企業の成長率はさらに鈍化し、6カ月ぶりの低水準となった。欧州では、ユーロ圏の8月インフレ率の速報値が発表されるほか、景気動向調査、失業率、小売売上高が発表される予定。投資家は、8月の消費者物価指数が前年同月比で2.7%上昇し、2012年以来最大の上昇率となり、ECBの目標である約2%を大幅に上回ると予想しているが、7月の小売売上高はわずか0.2%の上昇となりそうだ。