中国本土の製造業PMIは高水準
中国本土の製造業PMIは50.2で、4月に比べて0.1上昇し半年ぶりの高水準となった。6月の製造業と非製造業のPMIはともに、景況拡大と悪化の分かれ目とな50を上回った。一連の景気刺激策を受け、中国経済が持ち直しつつある可能性が示された。ただ、製造業の一部が拡大していることを示しているが、本土の製造業の見通しは依然として心配なほど低いものとなっている。製造業の輸出状況が引き続き厳しいことを反映して、各指標のうち新規輸出受注指数と輸入指数はともに基準値を下回ったほか公式製造業PMIの不振に加え、HSBCの中国向け最終製造業PMIも5月は49.2と弱く、製造業の縮小を反映している。
企業規模別では小企業が47.9、大企業が50.7、中企業が50.4となり、本土の小企業の業況が大中企業に比べて良くないことを反映されている。ここ数年、中央政府はたびたび中小企業の支援を提案してきたが、数字を見る限り、中小企業の経営状況は依然として非常に厳しいようだ。これは、以前に政府が実施した救済措置が本来の効果を発揮していないことを反映しており、政府は中小企業を困難から救うためにさらなる措置を導入する必要があるだろう。
新規輸出受注の減少に見られるように、外部経済のパフォーマンスは弱く、外需の改善が見られない中、本土の製造業の大幅な改善は当分見込めないと思われる。
欧州や日本の景気低迷は今に始まったことではないがが、心配なのは米国の景気が下降していくかどうかで米国の経済活動を反映するダウ・ジョーンズ運輸指数が弱含みに転じたことは、運輸指数の下落は米国経済が悪化する可能性が高いことを示していいる。
これまでマーケットはFRBがいつ利上げを行うかに注目してきたが実際には、景気が回復した場合にのみ利上げを行うことができるため、景気の悪化と比較すれば、利上げは決して悪いことでないだろう。