米国株でもPER18倍は決して安くはない
イエレンFRB議長は、「現在の米国株の評価は割高だが、資産バブルの兆候はない」と述べた。また議長は、金融リスクはまだ管理可能だがシャドーバンキングを規制する必要があると指摘し、利上げによって長期債の金利が急上昇すると警告た。
実際スローブル相場は長年にわたって続いてお」」、現在、S&P500指数のPERは18倍、成熟した市場としての米国株で、PER18倍は決して安くはないだろうが危険な水準に達していると言えず、超低金利環境が比較的高い水準で株式市場を支えることができることから、「米国株は高いがバブルではない」というイエレン氏の発言には賛成できる バリュエーションに割安感がなくなったため、今後の米国株式市場は、過去数年間の上昇トレンドを繰り返すことができないと看ている。
米国の利上げ時期は不明だが、最近、各国のソブリン債が大きく売られており、米国やドイツ、日本、インド、韓国の利回りが大幅に上昇している。例えば、米国の10年債の利回りは数日前に2%を超える水準に戻り、30年の長期債の利回りは3%を超えたこともある。
債券市場からの資金流出については、一致した見解はなく原油価格の回復とデフレ懸念の低下との関連性を指摘する声があるほか、ギリシャ債務の顕在化も理由に挙げらるだろう。
重要なのは、負債率の上昇が続くとFRBへの利上げ圧力が高まり、株式市場に悪影響を及ぼすということだ。米国では、貸出金利は債務金利に固定されており、債務金利が上昇すると借入コストが上昇する。
結局いつ金利を引き上げるかはまだ不明だが、ひとたび金利が引き上げられると市場に織り込まれていない分、米国株と世界の株式市場は一斉に大きなショックを受けることになる。
超低金利の環境下では、企業や個人の借入コストは相対的に低く、借入コストの低下は企業のバリュエーションの向上につながり、株式市場は上昇トレンドを維持することができる。金利が正常な軌道に戻ると、借入コストの上昇に伴って株式市場のバリュエーションが再評価され、バリュエーションの低下が株式市場の調整のきっかけとなるのだ。