上海総合指数は3,400ポイントの抵抗を突破
中国A株市場は連の調整を経て最近再浮上し、上海総合指数は3,400ポイントの抵抗を突破して近年の最高値を更新した。 両会の閉幕後では、李克強首相が「中央政府にはまだ多くのコントロール・ツールがある」と発言し、市場に安心感を与えたことがA株上昇の主な要因となった。首相はそう言ったものの、それが何なのかは言及しなかったが、ここ1~2年、中央政府は主にインフラ投資の拡大と金融緩和によって経済を回復させてきたのは事実だ。
中央政府の動きが今後も注目される中、A株にとって短期的には確かにプラスだが長期的な成長を遂げられるかどうかは、実態経済が回復したかどうかにかかっている。
2度の利下げ後、改善が循環的なものに留まるならば再び経済は減速するだろう。流動性を高める一方で、中央政府は他の政策によって需要を喚起しなければならなく、需要が喚起されなければ、中国経済は「流動性の罠」に陥り、金融政策は経済を調整する能力を失うことになっていまう。
中国経済は構造的な問題に直面しており、それを解決するには改革を強力に推進するしかない。官僚の協力が得られないことが改革の進行を遅らせており最大の原因と目されている。現在の中国本土の構造的な問題は、官製の腐敗との関係もあり、中国の長期的な発展の観点から、腐敗対策をしながらいかに改革を進めていくかが中央政府の課題である。